大原美術館レポート

大原美術館訪問 初期臨床研修医が感じたこと

2023年度採用者の気づき・学び

同期との親睦を深め
倉敷中央病院で働く自覚を

倉敷出身であるため、大原美術館は幼少期にはよく行っていたが、最近は行っていなかったので久しぶりに訪れてとても楽しかった。昔見ていて、この絵は好きだ、とか苦手だ、とか感じていたものを今再び眺めていると、どうしてそのように感じたのかもう少し深く考察することができて、自分自身の成長や考え方の変化を感じた。

また、新しく同期になった人達と絵を見た印象を話しながら館内を回ったり、桜が満開の美観地区を歩いたりしたことで親睦を深めることができた。

倉敷中央病院の歴史や背景を学ぶことができたので、働くことに自覚をもって臨もうと思う。

事前の講義で
より深く作品を理解できた

今回が初めての大原美術館見学になりました。岡山県出身なのでその存在自体は知っていましたが入館したことがなかったのでとても新鮮な気持ちで見ることができました。また、事前知識を与えてくださったことでより一層深く作品を理解することができてありがたかったです。

数々の素晴らしい作品の中で印象に残ったものは「黒人兵」です。他の作品は油絵や水彩画でさまざまな色合いの作品が多かったのですが、この作品だけは配色が非常に明確でとても印象に残りました。色合いが最近のセンスに近いので作られた年代も最近なのかなと思っていたのですが、見てみると1900年代に作られており、当時からこの配色センスを持ち合わせていた画家がおられたのが非常に面白かったです。当時にしては珍しい配色であるので、様々な評価をされたとは思いますが、結果こうして美術館に展示され我々が親近感を抱いているのは素晴らしいことだと思いました。

大原美術館と倉敷中央病院の
ルーツを知る

今回、大原美術館に初めて来訪しました。講義では大原孫三郎さんについても学ぶことができ、大原美術館と倉敷中央病院のルーツを知りました。

美術館で最も印象的だったのは、児島虎次郎さんの作品でした。大原美術館を入って児島虎次郎さんの「和服を着たベルギーの少女」がすぐに目に入りました。講義で学んだ通り、間近で見ると着物の柄は濃く荒いタッチで、背景は薄く細かいタッチで描かれていました。少し離れて全体を見ると、色鮮やかな着物を着た少女が美しく際立っており、大原美術館の中でも特に好きな作品でした。

美術館を進むと、児島虎次郎さんの作品ばかりが展示されている部屋がありました。時代によって描く作品の変化が見てとることができ、1人の作家を深く知ることでも美術鑑賞を楽しめることが分かりました。

同じ絵でも多くの見方が

大原美術館は以前訪れたことがあり、今回で二度目でした。

今回は現代美術が大変印象に残りました。現代美術の、線や素材が何を意味しているのかを一緒に回った方々と考察してみても、みな意見が違っていて、視点が違っている場合もあれば見えている線のとらえ方も違っているなど、絵を鑑賞した感想を共有する過程も含め、面白い作品が揃っていると感じました。

また、日本の画家も非常に心惹かれる作品が揃っていました。レオナール・フジタを始めとした日本人の油絵がここまで揃っている美術館も珍しいですし、児島虎次郎の作品も、日本的でありながら色彩が日本画ではなく西洋画の色で、作品が制作された当時の生活の情景を濃く反映しているところも、どこか現代とは違っていて歴史を垣間見ることが出来たかな、と感じました。