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心臓病センター[get_image]
当科のご案内

主治医制からチーム制へ


映像提供:日本マイクロソフト社

 日本では伝統的に主治医制を前提として医療が行われています。医師の経験年数によって、当然能力が異なるわけですので、若い医師が主治医となった場合に不安に思われる方があるかもしれません。多くの場合は経験の少ない若い医師をサポートする仕組みが整っています。しかし、土曜日曜も出勤するなど主治医の負担は少なくありません。

心臓外科では重症、高齢の患者さんが多く、そのような患者さんに高侵襲の手術を行うことから、術前、術後の管理には総力を結集して行う必要があります。医療スタッフの経験値はさまざまであり、自分の知識の中では判断できないような事態も少なくありません。多くのスタッフがかかわることで、お互いに不足する部分を補い、よりよい治療ができると考えています。また互いに自分たちが貢献できることを積極的に行うことで、貴重な労力を有効に活用できるようになるはずです。

当科では9年前より主治医制にかわる新しいチーム制を試行してきました。医師団が協働して患者さんの診療に臨むためには、患者さん 1 人ひとりの情報を、全員で共有できる環境が求められます。主治医が "患者さんに関する全ての情報" を把握してきた従来制度とはまったく異なるために、集合知を創発して共通認識とするためのしくみづくりが、チーム医療への転換には必要でした。従来は1日にカンファレンスを何回も行うことでチーム医療を試みてきました。ですが、患者さんの容態は刻一刻と変化するため、従来のしくみでは容態変化への追従が困難でした。
2018年に当院が導入したのが、Microsoft Teamsです。

チーム医療には、患者さんの容態を医療スタッフがリアルタイムに協議できる環境が必要です。ただ、医師は多忙をきわめています。心臓血管外科でいえば 1 日平均して 4 回の手術がありますから、たとえツールがあっても、手術の隙間時間に利用できるくらいに利用の敷居が低くなければ、中々浸透しないのです。Microsoft Teams は、少なくとも当チームにおいては、十数人いるメンバー全員が日々ここで協議しています。集合知において重要なのは "全員が意見する" ことです。これをリアルタイム化とともに進められたことは、一種の "コミュニケーション革命" だといえるでしょう。Microsoft Teams では、個人配付の PC だけでなく個人用スマートフォンでも利用できることが、活用が浸透した 1 つの要因です。

何か相談を投げかけた際、誰かしらが必ず解決策を提示してくれる。これが、チーム医療のあるべき姿だと考えています。ただ、"情報の発信" は普段からこれを行なわないと中々身に着かないものです。現在、重要度問わず何か起こったら必ずチャネルへ投稿することをメンバーには課していますが、この目的にはナレッジの共通化も然ることながら、"全員が意見する" という風土を形成することが第一にあります。利用当初から口酸っぱくこれを言い続けたこともあり、今ではメンバーの誰もが、Microsoft Teams 上で協議するようになっています。(Microsoft official site:interview記事より)

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主任部長から患者のみなさまへ

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