
鳥越 史宙(とりごえ ふみひろ)|
岡山大学大学院修了 2006年入職
医療全般、様々な経験を積むことができる場を探し、倉敷中央病院へ入職。2013年に抗菌化学療法認定薬剤師取得。現在は集中治療領域でチーム医療の一翼を担う。院内活動においては感染制御チームに所属し、抗菌薬の使用方法のガイドラインを作成している。「慎重であること」「必要以上の無理をしないこと」が信条。自分の調子を一定に保ち、集中力を持続させ、的確な判断ができるよう心掛けている。
私の仕事
さまざまな検査数値から
効果を読み取り判断する。
ICU(集中治療病棟)を担当しています。ICUは、手術後の管理や、循環動態、呼吸状態が不安定な方などが入室されています。話ができない状態の患者さんの場合は、検査値などをもとに薬の効果を読み取る必要もあります。薬を飲むことが困難な方には、胃管と呼ばれるチューブからの服薬や、点滴での投薬を行います。医師と密に連携し、状況に応じた判断を適切に行わなくてはなりません。まだ学ぶことがたくさんあり、緊張感も抜けませんが、一方で2013年に取得した抗菌化学療法認定薬剤師の資格を活かせていると実感しています。
仕事のやりがい
感染症のリスクを抑える活動は
薬剤師だから主導できる
ことだと思う。
治療によって起こり得る感染症のリスクを抑える「感染制御チーム」に所属しています。感染制御チームでは、院内全体の感染症の診療支援を行うほか、感染が起こった際の伝播を抑える方法を検討しています。感染制御は、無数にある抗菌薬の中から適切なものを選び、適切なタイミングと使用方法で感染症を治療することと、適切な予防策を講じて感染の拡がりを抑えることが重要です。手術、点滴のためのカテーテル挿入などの様々な医療行為自体が感染リスクをはらんでいるため、抗菌薬の適正使用はすべての患者さんに関わることだと思っています。だからこそ、感染症が改善したり、院内の抗菌薬使用の適正化に貢献できていると実感できたときには、大きなやりがいを感じることができます。
ある一日のスケジュール
one day schedule
印象に残っている仕事
今までの当たり前を見つめ直し
よりよい方向へと変えていけた。
周術期に予防的に使用する抗菌薬は、学会からガイドラインが示されています。近年、そのガイドラインの内容も変遷してきているのですが、変わったこと自体が知られていない場合もあります。例えば、以前は、慣習的に長期間使用されていた抗菌薬が、今は手術時だけの使用でよかったりと、使用期間がずいぶん短縮されていることもあります。このような背景を受けて、いくつかの術式における抗菌薬の使用方法の検証を行うことにしました。すると、最新のガイドラインと、院内の運用方法に差異のある事例が見つかったので診療科と協議を実施した結果、新たなガイドラインに準じた形で抗菌薬を使用する流れに変わってきました。「気づいてくれてありがとう。」その言葉をもらった時、抗菌化学療法認定薬剤師としての役割が果たせた喜びと誇りを感じました。
Interview
インタビュー