2023年度ベストレジデント2
日本では感じることのない刺激を得た
海外学会での経験
-2023年度ベストレジデント海外学術出張-
当院では、1年目の初期研修医から優秀者2名をベストレジデントとして選出し、
その特典として、病院の支援の下、海外学術出張の機会を与えています。
2023年度のベストレジデントに選出された入職2年目の初期研修医が、2024年10月13日~10月15日に
ウィーンで開催された海外学会「第32回欧州消化器病週間(以下、UEGW2024)」に参加しました。
初めての海外学会
この度は2023年度ベストレジデントに選出いただき、海外学術出張のご機会をいただきありがとうございました。
私は消化器内科志望のため、ウィーンで開催されたUEGW2024へ参加しました。学会参加にあたり、当院消化器内科の下立雄一先生、上西陽介先生に同行させていただきました。初めての海外学会、初めてのウィーンであり、期待と不安の入り混じる出張でしたが、先生方の引率の元で非常に充実した経験となりました。その一部について述べていきたいと思います。
英語習得の必要性を再認識
私が今回参加したUEGW2024は消化器病の国際学会の一つで、1年に1回ヨーロッパのいずれかの国で行われます。
今年はウィーンのMesse Wienという会場で実施しました。

今年はポスター会場部分が縮小されており、過去と比較すると規模が縮小しているとのことですが、それでも私にとっては見たことない規模で驚きました。そんな大きさを埋め尽くすだけ人も多く、その熱気はライブかと思うほどでした。一番大きいホールの照明はライブさながらのかっこよさであり、発表者の登壇時のライティングはこちらの気分も高揚するほどでした。


UEGW2024会場風景

こんな素晴らしい場所で自分も発表したいと思うと共に、質疑応答等では言語の壁も強く感じました。自分は英語が得意ではなく、まして専門用語を使った質疑応答は全く理解できるものではありませんでした。翻訳サービスが発達している現在ですが、実際にコミュニケーションをするためには英語をしっかり学ぶ必要性があると再認識しました。
華やかな街並みと文化

学会後はウィーンを散策しました。ウィーンの街並みはとても綺麗で、日本では見ないような建築様式、生活様式に驚きの連続でした。歴史・宗教への教養はないながらも、教会の荘厳さ、ステントグラスから差し込む柔らかい光は心が洗われるようでしたし、メインストリートの音楽堂、カフェは非常に華やかで歩くだけでも非常に楽しめました。
食事は日本と異なり苦手な味もありましたが、ビール・ワインは全て格別で帰りのスーツケースが重たくなってしまいました。


オーストリア定番料理・シュニッツェルをいただきました


スロバキアまで足を延ばし、首都・ブラチスラバを観光
貴重な経験を糧に研鑽を重ねていく
再びになりますが、この度は海外学術出張へのご機会をいただき誠にありがとうございました。「英語を学んだほうが良い」、そう指導医の先生から伺うことは多々ありますが、聞くだけでは感じられないその重要性を認識することができました。この貴重な経験を糧に今後の研鑽に励みたいと思います。
初心忘るべからず
室町時代の能楽の大成者である世阿弥の伝書「花鏡」にある言葉で、今では「物事に慣れると慢心してしまいがちだが、最初のころの志を忘れてはいけない」という意味で使われるのが一般的です。しかし「是非の初心忘るべからず。時々の初心忘るべからず。老後の初心忘るべからず。」と3つに分けられていることを知っている人は多くないでしょう。それぞれ「まだ未熟だった時」「どの年齢であっても新しいことを始める時」「年をとった時(年をとれば完成という訳ではない)」を意味します。いずれの時でも「未熟」な状態であるという自覚が必要と言っています。これから多くの経験と年齢を重ねていくなかで、今回の経験が、いつまでも自分を磨き続けるための道しるべになればと思います。(医師教育研修部長 越後谷 良介)
