藤永 潤
VOICE
倉敷中央病院 集中治療科
藤永 潤
学びの機会が豊富な環境で
専門分野に特化しながらも
幅広く診療経験を積める


充実した医療情報システムを
活用できる診療環境
私は4年目から救急専門医の後期研修として倉敷中央病院に就職しました。当時は救命救急センターの設立直前でしたが、救急医療の最前線で多様な病態に触れる機会に恵まれました。それまで教科書でしか見たことのなかった疾患に実際に遭遇し、診断・治療の難しさと奥深さを実感しました。また、医学雑誌や文献へのアクセスが良く、最新のエビデンスに基づいた診療を実践できる環境が整っていたことも印象的でした。さらに、臨床研究や論文執筆の指導を受ける機会があり、診療のみならず研究的な視点を持つことの重要性を学びました。多様な経歴を持つ先輩・同僚・後輩とともに働くことで、異なる視点を取り入れながら成長できたことも貴重な経験です。
加えて、当院の医療情報システムの充実度には驚かされました。電子カルテをはじめ、診療支援システムや院内データベースが整備されており、患者情報の共有や診療の質向上に大きく貢献していました。研修医の段階からこれらのシステムを活用することで、診療の効率化や迅速な意思決定の重要性を実感できたことは非常に貴重でした。
他施設での勤務や進学が、臨床医としてのステップアップに
当院での研修後、より広い視点を得るために他施設での勤務を経験しました。特に集中治療の分野では、異なる施設での実践を通じて、それぞれの病院の強みや課題を学ぶことができました。その後、公衆衛生や疫学を学ぶために大学院に進学し、医療を個々の患者単位ではなく集団レベルで考える視点を身につけました。疫学や臨床研究の手法を体系的に学ぶことで、日々の診療が医療の質向上や政策にどのように結びつくのかを意識するようになりました。この経験は、臨床医としての診療の幅を広げるだけでなく、より広い視野を持ち、多角的な視点を意識するための重要なステップとなりました。
また、院外の病院との比較を通じて、医療情報の管理や経営の工夫が診療の質に与える影響も実感しました。効率的な病床管理やデータ活用による医療提供の最適化は、患者の転帰を改善するだけでなく、医療スタッフの業務負担の軽減や働きやすさの向上にも寄与していると感じました。
長い歴史のなかで蓄積された
知見と医療システムが当院の強み
大学院や他施設での勤務を経験したことで、改めて倉敷中央病院の強みを実感しました。当院は長い歴史を持ち、その間に蓄積された豊富な知見と経験が医療の質向上に大きく寄与しています。救急・集中治療をはじめとする各専門領域において高度な医療が提供されており、診療・研究・教育の各分野だけでなく、医療情報システムや経営面においても先進的な取り組みがなされている点は、他の施設と比較しても際立っています。
また、複数の病院を経験したことで、当院の診療フローや病床管理の効率性の高さを改めて実感しました。特に、重症患者の受け入れ体制が整備され、救急から集中治療、さらに一般病棟へのスムーズな移行が可能なシステムが確立されている点は、質の高い医療提供を支える重要な要素となっています。このような医療システムの最適化は、当院が長年にわたり蓄積してきた経験と、多職種の協働による絶え間ない改善の成果であり、今後も継続的に発展していくと考えています。
診療と研究を両立しながら、質の高い医療を提供できる
現在、私は集中治療を中心に診療を行っています。当院の魅力の一つは、専門分野に特化しながらも幅広い診療経験を積める点です。重症患者の管理においては多職種との連携が不可欠ですが、当院では看護師や薬剤師、リハビリスタッフなどとの協力体制がしっかりしており、職種を横断した連携が円滑に機能しています。また、オンラインで文献や教科書にリアルタイムでアクセスできるなど、最新のエビデンスに基づいた診療を実践できる環境も整っています。
さらに、集中治療関連では、多施設のデータベースにアクセスできる体制が整っており、全国規模のデータを活用した研究が可能です。臨床研究を行う上で、統計解析の支援や研究デザインの相談ができる環境が整備されており、診療と並行して研究に取り組みやすいことも当院の大きな魅力です。これは、より質の高い医療の提供につながると感じています。
また、当院の医療情報システムの進化により、診療の効率化や情報共有が円滑に行える点も大きな利点です。リアルタイムでの患者データの参照や、診療チーム間でのスムーズなコミュニケーションを可能にするシステムの導入により、迅速な診療が実現されています。こうしたシステムの充実が、日々の診療のしやすさや働きやすさにも直結していると感じます。
研修病院を選ぶ際には、診療レベルの高さだけでなく、学びの機会の豊富さや、医療情報の活用・経営の工夫がなされているかも重要な視点となるのではないでしょうか。