寸評
第14回倉敷ゆかりの循環器研究会
一般演題は、どの演題も光藤先生の教えをそれぞれの分野で発展させた発表でした。参加された皆さんもきっと大きな刺激を受けたものと思います。優秀演題に贈られる光藤賞を受賞されたお二人の先生方、大変おめでとうございます。特別講演では、野崎洋一先生、柴田剛徳先生より、光藤先生愛、倉敷中央病院愛に溢れるご講演をいただきました。もっと多くの会員の皆さんに聴いてほしい発表ばかりでした。当番世話人をお努めいただいた藤本善英先生、大変ありがとうございました。来年は2025年10月18日に開催予定で、当番世話人を加藤隆一先生にお願いしています。この日は奇しくも光藤先生の命日です。多くの皆さんのご参加、ご発表、ご支援を宜しくお願いいたします。
■ 光藤賞
①芦田 昇先生(立命館大学薬学部)
演題名:心筋梗塞に対する遺伝子治療開発 ー基礎研究 20 年の到達点ー
心筋梗塞後の心機能改善をもたらす創薬の発表でした。芦田先生は、かつて倉中で実臨床を叩き込まれます。しかし、創薬という基礎分野を専門にしたため、患者さんのために臨床分野で活躍する同門の先生方に対し引け目を感じていたそうです。今回、心筋梗塞に対する創薬を通して、患者さんのためという光藤先生の教えを実践できるということです。『三つ子の魂百まで』。臨床とは異なる分野に進んでも、光藤イズムを持ち続けて結果を出し、誰よりも光藤先生に報告したいという思いに感動しました。
②今井 斎博先生(医療法人和風会 中島病院)
演題名:Unlocking the Sealed Entrance -Exploring Left Coronary Treatment Options-
先天性心疾患の1つである左冠動脈入口部閉鎖症という疾患の治療に関する発表でした。稀な疾患を持つ患者さんへの最善の治療に対して、永い年月がかかっても正解を導き出していく、まさにザ・臨床医というべき素晴らしい発表でした。今井先生は、光藤先生のお弟子さんである山下武廣先生に師事したため、光藤先生の孫弟子を自称なさっている先生です。綿々と光藤イズムが継承されています。
(文責 代表世話人 細木信吾)