緑のエプロンがある日常

緑のエプロンがある日常

当院の病院ボランティア「グリーンはぁと」は、1997年に当院OBの元看護師ら5人で始まりました。

以来続く、病院のなかに、緑のエプロンがある日常。
2020年からのコロナ禍で一時活動が途絶えましたが、皆でアイデアを出し合って患者さんとの接触がない活動を段階的に再開。車いす整備、手芸、生け花。日常が戻ると信じ、活動を続けました。

そして2025年、春。
外来に生け花を飾り、癒しの雰囲気を生み出す。
市民目線で、外来受診でお困りの方に寄り添う。
患者さんのニーズを想い、手芸作品を届ける。
医療材料準備のサポート役を担う。
車いす整備で来院される患者さんの安全を願う。
病気と闘う子どもたちに心を寄せ、日常との接点を届ける。

「倉敷中央病院と患者さんのために」
その思いで今日も、大切な時間を、ボランティア活動にそそぐ皆さんです。

 

「患者さんのために」 想いはひとつ

外来通院で来院された患者さんが目にされるボランティアといえば、外来の案内担当。そして、直接お目にかかることはないけれども、歩行にお困りの方に寄り添う車いす整備担当。
病院とボランティア、立場は違いますが、想いはひとつです。

外来の車いす165 台を整備するボランティア。 ネジが緩んでいる、ブレーキの利きが悪い、車輪の回転が悪いなど不具合のある車いすを整備しています。タイヤの空気入れは各玄関の車いす保管エリアで行われています。

車いす整備ボランティア

不具合を無くすだけじゃなく、実際に乗られる方を想像して整備にあたります。汚れていたら「患者さんは嫌だろうな、感染も気になるな」と思ってクリーニングします。患者さんの行動にも気を配っています。今日の外来は患者さんが多いな、雨が降っていて足元が悪いな、とか。
外来移動中に転んだら大変。必要な方に気楽に使ってほしいです。そのために心を込めて整備します。

外来担当統括看護師長 中原 昭子
外来師長 渡辺 祝子

中央玄関をはじめ西玄関や北玄関など外来の数か所に車いすを置いています。体が不自由な方や体調の悪い方などが使用される車いす。安全に快適に乗車できるよう、整備していただいています。ブレーキの利き具合やタイヤの空気の状態など、たくさんの車椅子を丁寧に点検してくださる皆さんに、患者さんはもちろん、医療スタッフからも感謝の声を聞きます。いつもありがとうございます。
ボランティアの方は、患者さんと職員の間に立ち、両者をつないでくれる存在です。定期的なミーティングや毎朝の申し送りなど、職員とボランティアの情報共有の場を設けて連携を強固にしています。「ボランティアの方がいると安心する」。患者さんだけでなく、私たち職員も同じ気持ちで働いており、患者さんの安心な受診をサポートする仲間として、お互いを支えあっています。

中央玄関ホールで活動している、外来案内ボランティア。 外来で行先に迷われる患者さんに「どちらをお探しですか?」とお声かけし、笑顔で行き先をご案内します。車いすを利用される方の誘導や、再来受付機のご案内も行っています。

外来案内ボランティア

患者さんお一人おひとりを見て、ご自身でできることには介入せず、助けが必要ならばサポートする。見守る視点と支える視点、二つの視点を大切にしています。広く、人も多い倉敷中央病院での受診は、心身ともに負担がかかります。患者さんの抱える不安を和らげるお手伝いができればと玄関ホールに立っていますので、お困りの際は遠慮なく声をかけてくださいね。

外来フロア係

ボランティアの方は、患者さんと職員の間に立ち、両者をつないでくれる存在です。定期的なミーティングや毎朝の申し送りなど、職員とボランティアの情報共有の場を設けて連携を強固にしています。「ボランティアの方がいると安心する」。患者さんだけでなく、私たち職員も同じ気持ちで働いており、患者さんの安心な受診をサポートする仲間として、お互いを支えあっています。

 

想いがつながり、広がるボランティア

ボランティアコーディネーター 三宅優子

2012年からボランティアコーディネーターとして従事しています。ボランティア受け入れに際しては、当院に通院していた方、定年後の人との関わりを探していた方など、お一人おひとりの想いを尊重しています。最初、皆さんは「何もできない、資格もない」と話されますが、まったくかまいません。当院のさまざまなボランティア活動を紹介し、やりたい気持ちが参加していただく活動に重なるよう、心がけています。

つながっていく想い

読み聞かせや学習支援、季節の行事など、院内学級での活動も長く続いています。二年前、退院した卒業生が「病気の辛さを知っている自分たちだからできることをしたい」と動き出しました。おみくじとだるまのお守りを手作りしたり、ボッチャやモルックのアイテムを子どもたちと一緒に手作りして体験会を開いたり。活動の輪が広がり、入院中の子どもたちや通院患者さんらへピアノ演奏を届けてくれた高校生もいます。ボランティアの絵てがみ活動にふれたお母さんが、お子さんを亡くされた後、今度は自らがボランティアとして活動されています。お辛いなか、入院中の子どもたちに想いを寄せておられます。

患者さんと病院を家族のように想い、寄り添う

患者さんと病院を家族のように想っておられるのを、皆さんから感じます。コロナ禍で活動が制限された時も、お寺からサラシをもらいマスクを手作りして医療者に配ったり、院内学級との交流のためオンラインで絵てがみ教室を開催したりしました。 また、当院がクラウドファンディングに挑戦したときには「応援したい」とたくさんの手芸作品を準備してバザーを企画。オープンホスピタルには毎回ブースを出して、笑顔でたくさんの子どもたちを迎えてくれます。どれもボランティアさんの発案です。

オープンホスピタル2024のようす
ボランティアバザー。2022年から3年連続開催。

 

基本の活動とともに、新たな活動の提案も大切に

患者さんに寄り添う基本の活動とともに、柔軟な発想から生まれる新たな活動も大切にしたい。「これをやりたい」「こんな特技を生かしたい」と提案される方が多いんです。その声を大切に、患者さん、当院職員、ボランティアさんなど、かかわる方々に喜ばれる活動を続けることが、当院の目標です。

 

現在のボランティア活動 「一緒にボランティア、しませんか?」

外来案内
平日8 時30 分~ 12 時
中央玄関ホールで患者さんの案内、
お一人で来院された患者さんの車いす移動支援


活動が貴重な社会との接点になっています。患者さんの困りごとに寄り添うなか、交わす言葉も楽しみのひとつです。

医療情報の庭
平日9 時~ 12 時 ※開室時間 9:00-16:00
カウンターでのご案内や図書の管理、
パソコンの使い方の支援

本についてお尋ねがあればすぐ対応するよう心がけています。メモを取るお姿を見るたび、この場所の大切さを感じています
手芸
火・木曜日
看護部依頼で医療機器のカバー類等の制作、小さく生まれた赤ちゃんのためのベビー服など患者さんのためのオリジナル手芸品製作

仲間とおしゃべりしながら楽しく作品を作っています。修理依頼では初めて見るものばかり…楽しい発見もありますよ。
ひまわりの会
第2・第3・第4 水曜日
院内学級やご入院中の患者さんに昔話の読み語り・紙芝居・童話の朗読・歌の披露

ちょっと懐かしい昭和の話、歌、民話などひまわりの会ならではの笑顔あふれる活動をしています。
生け花
(中央玄関、1-65、医療情報の庭)
月4回

少しでも患者さんの癒しになれば、と考えながら取り組んでいます。好きなお花を生けることは気分転換になり、元気の源です。
小児科病棟、院内学級との交流
(絵てがみ、季節の行事、学習支援)
平日随時

治療や勉強を頑張っている子どもたちが笑顔になれますように…と願いながら活動しています。
医療材料準備
木曜日
酸素吸入に使用する医療材料を準備
(チューブをカットしてコネクタを付けるなど)

ただ今、一緒に活動していただける方を募集しています!皆さん明るい方ばかり、楽しい雰囲気のなか、活動しています。
車いす整備
金曜日9 時~ 11 時

2人で協力して活動しています。私たちの活動を知っていただきたい。仲間が増えて欲しいと願っています。

 

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