当院での初期研修の強みは、何よりも疾患の多様性、重症疾患の多さであり、それらを解決できる専門性の高さです。専門性の高い検査や治療の多くは当院で行うことができます。自分の専門領域においてはもちろんですが、専門外領域においても一度でも触れたことがあれば、どのような病態か、どのような検査・治療がなされるかをある程度把握でき、幅広い経験として日常診療に役立ちます。 実際、私が他院に異動した際、経験したことがないという病態は少なく、自信を持って診療に臨むことができました。
私が初期研修を行っていた当時は、当院の研修の弱点は救急診療と考えていました。当院は非常に大規模であり、救急疾患も豊富でしたが、当時は救命救急センターではなく、3次救急にあたる重症外傷などの経験は多くありませんでした。救急専門医も従事しておらず、救急診療の専門的な指導が得られたわけではありませんでした。
しかし、2013年4月から救命救急センターとして認可され、重症救急疾患がさらに増加し、専従する救急専門医も充実しているため、現在は十分な経験、指導を得ることができる体制となっています。