大目 祐介
VOICE
倉敷中央病院 外科
大目 祐介
圧倒的な執刀経験、
そこで感じた
大きな責任感が
自身を成長させた
我々若い医師が中心となり、
challenge
当院に戻ってきて、あらためて感じることは、当院もまだまだ発展途上であり、新しいシステム、設備、機器の導入を含め、日々新しいことに取り組んでいっているということです。一般病院でこれほど”箱”に恵まれている環境はないと思います。日常診療に全力を注ぐことは当然のこととして、この恵まれた環境を生かして、我々若い医師が中心となり、さらに新しいことにchallengeし、新たな知見を発信していかなければなりません。研修医のうちからそのような意識を持つことで、高い目標、目的意識が生まれ、自分だけでなく病院全体の成長に繋がります。私自身も妥協することなく、高い目標を持って日々過ごしていきたいと思っています。
強い責任感をもつことができた、3年間の後期研修
さて、私は3年間外科での後期研修を積みました。外科では、年間400件を超える緊急手術を要する救急疾患、各種消化器癌、乳癌等、非常に多数の疾患、件数の治療を行っています。大手術の代表とされる肝胆膵領域の手術数も豊富です。当院外科の最大の特徴は、それら多数の疾患のほとんどを後期研修医が主治医となり、基本的には主治医執刀制であるということです。もちろん指導医の補助なしで完遂することが困難な場合もあり、安全・最良の治療を行うために、指導医に執刀を交代することもありますが、他院では難しいほどの圧倒的な執刀経験が得られます。そして最も大事なこととして、重症、大手術を主治医として担当することにより、強い責任感が生まれます。大きな責任を負うことで、最大限の努力を注ぎ、成長に繋がるものと思います。このような経験は他病院でなかなか得られるものではなく、他病院で研修中の同年代の外科医と比較して、学会・誌上発表も多く、かつ 診断能力が身に付き、外科医として”手が動く”状態になっていると感じました。
初期研修、後期研修を通して同期が多いため、忙しい中にも互いに協力し、競い合い、時には息抜きできることができる環境は、研修の場として恵まれていると思います。
疾患の多様性、重症疾患の多さが、当院初期研修の強み
当院での初期研修の強みは、何よりも疾患の多様性、重症疾患の多さであり、それらを解決できる専門性の高さです。専門性の高い検査や治療の多くは当院で行うことができます。自分の専門領域においてはもちろんですが、専門外領域においても一度でも触れたことがあれば、どのような病態か、どのような検査・治療がなされるかをある程度把握でき、幅広い経験として日常診療に役立ちます。 実際、私が他院に異動した際、経験したことがないという病態は少なく、自信を持って診療に臨むことができました。
私が初期研修を行っていた当時は、当院の研修の弱点は救急診療と考えていました。当院は非常に大規模であり、救急疾患も豊富でしたが、当時は救命救急センターではなく、3次救急にあたる重症外傷などの経験は多くありませんでした。救急専門医も従事しておらず、救急診療の専門的な指導が得られたわけではありませんでした。
しかし、2013年4月から救命救急センターとして認可され、重症救急疾患がさらに増加し、専従する救急専門医も充実しているため、現在は十分な経験、指導を得ることができる体制となっています。