ナイチンゲール以来、医療は医師と看護師とのチームで行われるのが基本でありましたが、現代医療ではそのチームの幅は広く各職種が一つのチーム単位となり、さらには各診療科同士がチームを組んでこそ、患者さんに受け入れられる医療が実現できる場面が多くなっています。倉敷中央病院心臓病センターは、循環器内科と心臓血管外科とが一つのチームとして患者さんの心臓病との闘いを支援する場として古くから構想されていました。1987年病棟のみが共同となり、「心臓病センター」と名付けられ、やがて病棟内にCCUも新設されました。
倉敷中央病院心臓病センターは、チームがより効果的に患者さんを診ることができ、患者さんもさらに安心して心地よく診療を受けていただくことができるように、という基本姿勢のもとに発展してまいりましたが、2005年には心臓病センターのための新しい建物が建設され、その機能はさらに充実したものになりました。
1.一環して診断から治療までを行うことが可能
心臓病の診断から入院を含む治療までを、コンパクトな一つの建物の中で一環して行うことができ、患者さんの移動の距離あるいは医師の移動の距離も短くできるため、効率的で負担が少ない医療が行える。
2.モービルCCU:心臓集中治療施設
モービルCCUの帰還場所は心臓病センター外来の裏であり、地下の心血管造影室と2階のCCU(集中治療室)とを直結するエレベーターに隣接している。救急治療が心血管造影室で完結し、CCUでその後の経過を観察するという、これからの心臓救急医療により適切に対応できる形になっている。
3.チーム医療を考慮した集中治療室の配置
CCU(集中治療室)は、循環器内科系のCCU-C:20床と、心臓外科系のCCU-S:10床とが隣り合わせにあり、お互いの連携が取りやすくなっている。
4.手術室との連携に配慮したCCUの配置
CCU(集中治療室)と手術室とは隣接しており、心臓血管外科の手術への対応が円滑に行える。
5.心臓カテーテル検査
心血管造影室のある地下1階には、日帰り(外来)カテーテル検査用のベッドを30床用意し、来院から検査終了までの移動距離を最小限に抑え、患者さんに負担の少ない日帰り(外来)カテーテル検査を推進している。
便利になった心臓病センターを使って、職員が一体となってより良質の循環器医療を提供させていただき、倉敷中央病院という総合病院の中での心臓病センターであるのはもとより、地域の先生方と共に患者さんの心臓病と闘うパートナーとして、誰もが使いやすい地域の心臓病センターを目指して日々努力してまいる所存ですので、よろしくお願い申し上げます。