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診療案内

冠動脈バイパス手術における当科の取り組み ~長期開存を目指して~

冠動脈バイパス術(CABG)とは

 冠動脈が狭窄/閉塞すると心筋に十分な血液が供給されなくなります。「狭窄」すると狭心症、「閉塞」すると心筋梗塞になります。冠動脈バイパス術はカテーテル治療とは異なり、狭窄や閉塞している冠動脈を直接治療するのではなく、バイパス路を作り、血流をよくする手術です。

グラフト選択

 基本として、グラフトは両側内胸動脈(ITA)あるいは大伏在静脈(SVG)を用いて、血行再建するようにしています。動脈グラフトは超音波メスを使用してskeltonize法(周囲の脂肪組織を残さないでグラフトを採取する方法)にて採取します。また、静脈グラフトは2013年から基本的にNo-touch technique(大伏在静脈周囲組織ごとpedicleとして採取)と呼ばれる方法で採取しています。採取後のヘパリン加生食注入での拡張も行っていません。

No-touch法の組織学的な利点

 No-touch(下図 左NT)では周囲脂肪組織が損傷なく保持されており、拡張されていません。外膜は損傷なく、中膜は厚く、内腔の襞が保持されています。一方、(従来型採取法である)Full touch(下図 右C)では脂肪組織が除去され、拡張されています。種々の損傷が加わり、外膜は外弾性板の層まで除去され、中膜は菲薄化し内腔は拡張されています。

No-touch法の長期成績

 最長16年までの追跡で、No-touch法による静脈グラフトは長期開存性が確立されている左内胸動脈と遜色ない開存率との報告もあります。当科における検討でも早期の開存成績は良好でした。本来ある形のままの、小口径かつ組織損傷の少ない静脈グラフトは、より良い開存性につながる可能性があります。長期の開存性を示すためにはまだ時間が必要ですが、今後も検討を続けていく予定です。下左図(12年経過後のNo-touch法による静脈グラフト)、下右図(8年経過後の従来型採取法による静脈グラフト)

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主任部長から患者のみなさまへ

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