血液透析とは、血液中の老廃物を除去するために血液を一旦体外に取り出し、その血液を透析装置に通して血液を浄化する治療法です。老廃物を血液から効率的に除去するためには、比較的大量の血液(1分間に150~250ml程度)を体外に取り出して透析装置に通す必要があります。
血液透析を行うためには、血液を大量に体外に取り出すための経路であるブラッドアクセスを作成する必要があります。ブラッドアクセスの一種に内シャントがあり、当科ではこの内シャント作成を行っています(内シャント手術成績)。
内シャントとは、動脈と静脈を直接吻合し静脈に大量の血液が流れるようにしたもので、通常利き腕とは逆の腕に作ります。手首付近や前腕、場合によっては上腕など、血管の性状のよいところに内シャントを作成します。
内シャントの手術は、基本的に局所麻酔で行い、手術は1時間程度の時間を要します。
当心臓病センター心臓血管外科では、透析用の内シャント作成は、2019年は65例の手術を施行しました。 新規造設は47例で、感染のリスクを避けるためできるだけ自己静脈を用いるようにしており、人工血管の使用は2例です。