先進的な医療機器・技術の導入
- daVinci
- ORBEYE
- FFRct解析検査
- ハイブリッド型手術室(脳外科手術・小児カテーテル治療)
- ハイブリッド型手術室(心臓手術)
- 放射線低被ばくと高画質を両立した血管造影X線診断装置
- 高精度放射線治療装置
- 心筋シンチ装置 D-SPECT
daVinci
2014年3月にda Vinci Si、2019年10月にda Vinci Xiを導入しました。da Vinciによるロボット支援手術は傷が小さく痛みが軽度のため術後の回復が早い、出血量が少ない、より繊細で正確な手術を行うことができる等のメリットがあります。また従来の開腹手術よりもラーニングカーブが短く、技術習得が早いという利点があります。当院では泌尿器科で前立腺摘除術・腎部分切除術・膀胱全摘術、外科で胃切除術・直腸切除術、産婦人科で子宮全摘除術・子宮悪性腫瘍手術、呼吸器外科で肺切除術・縦隔腫瘍切除術の症例を重ねています。
ORBEYE(オーブアイ)
2020年春に導入しました。これまでにない新しい「顕微鏡システム」で、顕微鏡をのぞく代わりに、カメラで撮影された映像を3Dモニターで見ながら手術を行います。
これはいわゆる“head up surgery”という新しい手術スタイルで、内視鏡や腹腔鏡で一般的となったモニターを見て行う手術を顕微鏡手術に応用したものです。
FFRct解析検査
FFRctによる解析結果:血流が低下した部分が黄色-赤で示されています。 心臓CTで狭窄を認めた部分より先に血流低下を認めており有意な狭窄であることが分かります。
冠動脈CT画像で狭窄が見つかった場所の血流を調べる検査です。従来の冠動脈CTでは冠動脈の形態を評価することで治療が必要かどうかを判断していました。しかし、狭窄度がボーダーライン(いわゆる中等度狭窄)である場合や狭窄を認める部分が複数あり、その部分が実際に症状の原因となっているか判断できない場合は、これまでは追加で別の検査を行うか、カテーテル検査を行い血流の状態を調べる必要がありました。
当院で2019年2月より使用可能となったFFRct解析検査では、心臓CTの画像データをもとにコンピューター解析を行うため追加の検査は必要ありません。そのためカテーテルでの侵襲的な検査を行うことなく、実際に心臓の血流が低下しているかどうかを診断できるようになりました。
ハイブリッド型手術室(脳外科手術・小児のカテーテル治療)
2024年より稼働しています。脳疾患の血管内手術や小児のカテーテル治療を行う手術室として設計、血管撮影装置はフィリップス社製のAzurion7 B20/15を導入しました。Azurion7は被爆線量を抑えた低線量で高画質の画像が得られ、タッチパネル操作で脳血管内手術中に画像解析を行えます。開頭手術と脳血管内手術を同一手術室で行えるよう、通常の手術室の1.5倍の広さがあります(94㎡)。
ハイブリッド型手術室(心臓手術)
2010年より稼働しています。手術室に天井吊り下げ型の3D-CT撮影可能な血管造影装置を統合させたもので、カテーテルを使う内科的治療と外科手術による治療法を一つの部屋で行うことができます。大動脈弁狭窄症の患者さんにカテーテルを使って生体弁を植え込む大動脈弁置換術(TAVI)や、僧帽弁のMitraClipはハイブリッド型手術室で行っています。
放射線低被ばくと高画質を両立した血管造影X線診断装置
低被ばくでありながら高画質の血管造影画像が得られる最新のテクノロジーClarity IQを搭載したX線診断装置が6台稼働しています。
X線診断装置を使用する血管造影検査は、カテーテルを用いて造影剤で血管を描出し診断を行います。経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention: PCI)、末梢血管のInterventionは、この装置を使用して血管内治療を行います。また、ペースメーカーやカテーテルアブレーションによる不整脈の治療もこの装置を使用して行います
高精度放射線治療装置True Beam STx
2017年3月から、TrueBeam STxが3台目の放射線治療装置として稼働しはじめました。定位放射線治療や強度変調放射線治療などの高精度治療を短時間に,かつ高精度で行うことが可能な次世代放射線治療システムです。中心部に2.5mm 幅のマルチリーフコリメーターを装備しており、小さい腫瘍に対してこれまで以上にフィットした照射野の形成が可能です。また、5種類のエネルギーの放射線を使い分けることができ、そのうち2種類はフラットニング フィルタ フリー (flattering filter free:FFF) です。高線量率X線エネルギーの出力の恩恵で高精度治療における治療時間の短縮が可能です。また高度な画像誘導機能であるNovalis システム(BRAINLAB)を備えており、X線透視画像を参照し自動的に寝台移動することによって照射野のずれ補正が可能になっています。
より精度の高い放射線治療を、スループットよくできるようになり、定位放射線治療や強度変調放射線治療をこれまで以上に行うことが可能になりました。
心筋シンチ装置 D-SPECT
2015年より、半導体検出器を用いた最新の心筋シンチ装置(D-SPECT)を導入しています。従来の心筋シンチはガンマカメラを用いて、シンチレータと、光電子倍増画管を用いた、いわゆる間接検出方式でしたが、D-SPECTでは直接、ガンマ線を電気信号に変換する仕組みとなっており、その効率が飛躍的に向上しています。また、検出器も非常に小型化され、オープンチェア半座位式になっています。実際に半導体検出器を用いることで、分解能が格段に向上、コリメータも改良され、感度も向上しています。