総合周産期母子医療センター

総合周産期母子医療センターとは

倉敷中央病院は、平成12年(2000年)に総合周産期母子医療センターに指定されました。

総合周産期母子医療センターとは、内科系、外科系、精神科など、種々の専門科の協力を得て、いかなる合併症を持つ妊婦でも妊娠中から産後まで、そして最重症の新生児ケアを行うことができる第3次医療施設です。

常時、母体・胎児専門医、新生児専門医、麻酔医専門医が勤務する、いわゆる妊産婦と新生児専門の救命救急センターです。倉敷中央病院の総合周産期母子医療センターは、岡山県における母子医療の中心施設として、24時間365日を通じて、重症ハイリスク妊産婦、重症ハイリスク新生児の救急受け入れ、専門医同乗での救急車搬送や医療相談・医療情報提供に加え、ハイリスク産婦、ハイリスク新生児の長期フォローアップ、そして医療従事者の研修も行っています。

経緯

平成8年4月、厚生労働省(旧厚生省)は、毎年出生数が減少していく中で低出生体重児(出生体重2,500グラム未満)がむしろ増加傾向にあることを重く見て「周産期医療対策事業実施要綱」を定め、翌月5月10日付で「周産期医療対策整備事業の実施について」として各都道府県知事に児童家庭局長通知として発令しました。この結果、平成29年4月1日現在、全国47都道府県に「総合周産期母子医療センター」107施設、47都道府県に「地域周産期母子医療センター」300施設が整備されています。

岡山県は、平成12年12月1日付けで、第3次医療施設に当たる総合周産期母子医療センターを2施設(倉敷中央病院、岡山医療センター)、第2次医療施設の地域周産期母子医療センター4施設(岡山大学付属病院、川崎医科大学付属病院、岡山赤十字病院、津山中央病院)を指定いたしました。

母体・胎児集中治療管理室(MFICU)

当センターには、6床の母体・胎児集中治療管理室(MFICU)が設置されています。正常妊娠、分娩は従来どおり行なっていくため、分娩部内にはMFICUの他に通常の陣痛室を3室設置しています。MFICUでは、様々な合併症や妊娠経過の異常、胎児異常のためにハイリスクとなった妊婦、胎児の管理、治療を行ないますがその目的は、第1に妊婦・褥婦の命を救うこと、第2に可能な限りよい状態で児を出産させNICUへ引き継ぐことです。治療が長期にわたる可能性があるため、高度治療が可能であると同時に、妊婦が精神的、肉体的にリラックスして入院・治療が続けられるよう防音対策に配慮するなど最高の療養環境を整備いたしております。

新生児集中治療管理室(NICU)

当センターには、呼吸循環管理の可能なNICUベッドを21床保有し、極低出生体重児(出生体重1,500g未満の児)の治療を中心に行っています。同時に小児循環器のスタッフが充実しているため、先天性心疾患も比較的多い状況です。NICU内には心臓超音波装置が設置され、心臓カテーテル検査も新生児期に行っており、的確な診断と治療を行っています。新生児期(日齢28まで)に発生した、低出生体重児(出生体重が2,500g未満)、呼吸障害、循環障害(先天性心疾患、不整脈その他)、新生児外科疾患、脳外科疾患、泌尿器科疾患、眼科疾患、感染症、黄疸など多くの疾患が治療の対象となっています。診療圏域としては、倉敷を中心とする岡山県南西部、県北部が主要ですが、広島県西部、兵庫県、島根県、鳥取県から依頼された新生児の入院も引き受けています。依頼があれば、24時間いつでも当センターの新生児専用救急車でお迎えに伺っています。

新生児集中治療管理室のご紹介 リンク画像