院内散歩
数ある憩いスポットを巡る
当院内には、アクアリューム・リゾートや温室、絵画、屋上庭園など、患者さんに心安らぐひとときを過ごしていただけるようにさまざまな施設・装飾が施されています。
そんな数々の憩いスポットを紹介します。
創立者の大原孫三郎は、病院の設計理念のひとつに「病院くさくない明るい病院」を掲げました。
倉敷中央病院には、いくつものアメニティスペースが設けられています。噴水の水音が聞こえ、明るい日差しが降りそそぐ温室。風を感じられるセントラルパーラー、そこで開催されるコンサート。心を和ませてくれるくつろぎの空間に、人々は自然と集まってきます。患者さんへの優しい環境づくりは、当院にとって、大切な医療の一環です。
創立者の思いを引き継ぎながら、新棟・旧棟のシームレス化をはかり施設運営を行っていることを評価され、2010年にはファシリティマネジメント大賞(JFMA賞)を受賞しました。

ステンドグラス「海」と「山」
中央玄関を入られると、一対のステンドグラスが皆さまをお迎えしています。
右(南)側は、おだやかな瀬戸内の波間を楽しそうに飛びかう水鳥で、これは病がいやされた喜びをあらわしています。左(北)側の深山に舞う鷹は、当院を見守る創立者・大原父子を象徴しています。
ともに、型染染色作家で人間国宝の芹澤銈介氏の作品です。

小児科待合
外来増築棟の待合は、明るく広々とした環境で、居心地よくお待ちいただけるように設計しました。ことに2、3階は透明感あふれる外光の中で、自然と一体となった開放的な気分になっていただけるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
2階小児科の待合は、多彩な色づかいで、親子で楽しくお待ちいただけるようにと願って作りました。ライオン、ピエロ、ウマ、サルなどが楽しく集う「サーカス」は型染め、「魔法のことば」は絵本です。力強い色彩と絵柄は、見る人の心を温かくなごやかにしてくれます。
作者はいずれも柚木沙弥郎氏。玉島の出身で、国画会会員、元女子美術大学の学長をされた方です。型染めのほか壁紙、ポスターなど幅広く活躍され、絵本では国際的な賞を受賞されています。

エレベーターの電話番号ボックス
外来増築棟1階のエレベーター横にある、緑のボックスをご存じですか?網目状の明るい緑の空間の中に、鮮やかな黄色のテーブルと椅子。楽しい彩りに、カナリアの入った巨大鳥かご出現(!?)かと、見まがうばかりです。
実は、これは電話ボックスです。緑のボックスは、本院開設時に、倉敷市で初めて設置されたエレベーターです。
本院では創設当初より、患者さんがお家にいらっしゃるのと同様の居心地のよい環境を整えると同時に、療養に必要な最新・最高の施設・設備を導入してきました。創設当時の当院はほとんど平屋でしたが、数少なかった2階建ての建物にも、2か所にエレベーターを設置し、患者さんの負担を少なくするように配慮していました。
外来の増改築に際して、患者さん本位の病院を象徴するエレベーターをぜひ残したいと、電話ボックスにしました。

セントラル・パーラー
水のせせらぎがやさしく響くセントラル・パーラーは、入院患者さんの憩いの場として親しまれています。 亜熱帯植物を中心とした温室に対して、パーラーは外の日本庭園の枝垂れ桜やもみじと合わせて、季節の移ろいを感じていただける和の空間になるように設計されています。パーラーの中は、お雛さま、鯉のぼり、クリスマスツリー、天井からの飾り布などで季節を楽しんでいただけるように工夫しています。 また、静かな水の流れは、秘めたる生命の強さを思い出させてくれるようです。泉の石組みは、イサム・ノグチ氏のパートナーであった、和泉正敏氏の作です。

医療情報の庭
本院の院是ならびに基本理念に掲げられている患者本位の医療精神は、90年以前の創立当時から今に継承されていることを思えば、いかに第一線に立つ病院の使命感と責務に目覚め、なおかつ実践に不断の努力を傾注してきたかが偲ばれます。
患者さんには、この「医療情報の庭」に親しんでいただき、大いに利用していただければ、ご自分のあるいは家族の病気についての理解の助けとなり、またインフォームドコンセントにおいて医療者との意思の疎通がより容易になるものと期待しています。
利用時間帯は月曜から金曜日の午前9時から午後4時迄で、ボランティアの方が交代で受付業務を行っています。

ゲーテの庭
八重桜、さつき、あじさい、はまゆう、るり柳、もみじ・・・季節の花が可憐に咲き、緑豊かなゲーテの庭。
庭の名前の由来となったゲーテの詩「見出しぬ」は、森で見つけた可憐な花を摘もうとした彼に、その花が「折られて枯れる運命なのですね」と嘆いたので、根とともに家に持ち帰って植えたところ、元気に葉が繁り、花が咲き続けた、ということを綴ったものです。可憐な野の花に寄せるゲーテの優しさがうかがわれます。
当院では、その優しさ、相手を思いやる心こそ医療の原点である「人間愛」と考え、常にその心を忘れないようにと、詩碑を作りました。
制作は舩木研児氏、島根県の布志名(ふじな)焼きです。

ポスト
赤いポストのそばを通っていると「このポストに入れても、配達してもらえますか?」とたずねられました。もちろんです!!
美しい花の並んだ売店の向かい、温室西通りの北の端にある円筒形の真っ赤な郵便ポスト。町ではほとんど見られなくなりましたが、当院では道案内の目印として置きました。北海道帯広市の骨董屋さんで見つけたものです。
懐かしそうに眺めていらっしゃる方、子供さんに説明している方、どことなくほっとする赤い色と丸い形です。「久しぶりに昔の郵便ポストを見て、懐かしく心なごんだ」という意味の新聞の投書もありました。
最近は電話やメールで用を足す人が増えましたが、手紙やはがきにはそれらにはない温かさがあります。郵便が届いたときのうきうきした気持ち。封を切るときのときめき・・・どうぞ、投函してください。

「温室のうどんや」の欄間
やわらかな日ざしの中で、「旧・温室の喫茶」の欄間の板ガラスが、天井にその青緑の光を映しています。3枚1組で7箇所に組み込まれた20センチ角の板ガラスは、大正13年に完成した病舎の患者休養室の欄間に使われていたものです。
創立者の大原孫三郎は「明るく温かく軽く柔らかく、住みよい住宅」のような病院を理想とし、病院に来ると気が晴れ、心が和み、自分が病気であることを忘れ、気持ちよく治療を受けることのできる病院として当院をつくりました。
この休養室も東と南の2面がすべて窓で、欄間に淡い青色のガラスを用い、やわらかい光と美しい色を透かし、治療にはげむ患者さんをおなぐさめしたのではないでしょうか。
当院は、現在も創立者のこの理想を受け継いで、病院づくりを行っています。
温室から地下へ階段を降りると、正面にあるのがこの「旧・温室の喫茶」です。外から見た欄間も美しいですが、店内から欄間を見ると、病院の建物や窓辺の花がステンドグラスの絵のように見え、違った雰囲気を味わうことができました(現在は「温室のうどんや」としてリニューアル)。

セントラル庭園
セントラル庭園は、セントラルパーラーとともに、入院患者さんに季節の移ろいを感じていただけるようにと作られた空間です。
花の少ない晩秋から初冬にはさざんかが咲き始め、パーラーから続く竹の林の中には、春にはかわいい竹の子が・・・
つつじ、新緑、もみじなどなど、季節を問わず、楽しませてくれます。
でも、なんと言っても圧巻は枝垂(しだれ)桜。少し赤みのかかったピンクの房が風にゆれていると、何だか心が軽くなったようで、浮かれてしまいそうです。昨年からライトアップをしています。闇に浮かぶ妖艶な姿もお楽しみください。

アクアリュウム・リゾート
「あっ、ニモがいる」ディズニーの映画で一躍有名になったクマノミを見つけて、女の子がかけ寄ってきました。
水槽の上部をゆったり泳いでいるグリーンクロミス、するりと身をかわして所狭しと泳ぎ回るニシキハナゴイ。ブルー、黄色、ピンク、オレンジ、そして白と黒。鮮やかな色と愉快な動きに、見入ってしまいます。
ブルー、白、黄色の縦じまのニシキヤッコ、ピンクに紫の四角が美しいスミレナガハナダイ・・・水槽の中には、80種類120―30匹の海水魚がいます。
形と動きの面白さで目をひくエビとカニは8種類15-6匹。恥ずかしがりやでサンゴの陰にかくれていますので、よーく見てくださいね。
サンゴは淡いグリーンのアワサンゴをはじめ、40種類約60個もあります。
水槽の中は半年に一度入れ替えを行ない、今はブルーに輝くインド洋をイメージして作られています。インド洋の海水魚は、ことに色鮮やかだそうです。
毎日8時と17時がえさの時間です。ご馳走に集まる魚たちが、いつもとは違った動きをみせてくれますよ。

マルガリータ王女
中央玄関ホールのエレベーター横で、あどけない表情で皆さんをお迎えしているマルガリータ王女(ベラスケス、スペイン プラド美術館所蔵)。もともとこの複製版画は、春には美しい桜の園となる当院南の旧外来棟の待合にあったものです。
大原孫三郎は建設を進めていた倉紡中央院(開設当時)のために、大原美術館の泰西名画を集めた児島虎次郎に、当時パリで評価の高かった絵画の複製を購入することを命じました。これはその中の1枚です。
児島の日記には、開院前に大工さんと表具屋さんの3人で、2日がかりで70枚の額を院内の各室に飾ったことが書かれています。そのいくつかは、外来棟1階の内科系の外待ち、採血室、2階の外科系待合への通路などで、現在も見ることができます。

フレスコ画「ナイチンゲール」
緑の木々に囲まれた野原に咲き乱れるピンク、ブルー、白の花々。その花をついばむ小鳥たちも、花に負けない鮮やかな色をしています。木々の後ろには、やわらかな薄青い空が広がっています。さわやかな風に乗って、軽やかなピアノの旋律が聞こえてきそうな、そんな初夏の景色です。
皆さん、この絵がどこにあるかご存じですか?そう、セントラルパーラーの東側出入り口の上です。
2棟と南出入り口の間の通路をうぐいす通り(ナイチンゲール通り)と呼ぶことに因んで制作されたフレスコ画です。フレスコは西洋の壁画などに使われる技法で、砂と石灰をまぜた漆喰の上に、水だけで溶いた顔料で絵を描いたものです。色が大変美しく、耐久性に優れています。ミケランジェロの「最後の審判」、もっと古くはポンペイの遺跡にも残されています。
作者は作野旦平さんです。総合保健管理センター、アイビースクエア食堂前のホール、市庁舎の議場にもフレスコ画を描かれています。

赤い屋根瓦
倉敷は江戸時代、幕府直轄の天領として栄え、倉敷川の両側には白壁に黒い瓦の蔵が立ち並び、活気を呈していました。当院の設計者は、黒い瓦の落ち着いた雰囲気とは逆に、赤い瓦の病院を造ろうと考え、その提案に、創設者の大原孫三郎はすぐに賛成したと言われています。
病に悩む患者さんの心を少しでも明るくしたいと考えた大原の気持ちに、田園の中の赤い屋根はぴったりだったのではないでしょうか。赤とはいっても朱の入った落ち着いた赤みの素焼きの瓦は、大阪府の南部で作製されたものです。
増改築が進み近代的な建物になっても、赤い瓦はアクセントとして残され、温室と共に倉敷中央病院のシンボルとして皆さまに親しまれています。

流水壁
窓の外、静かに流れ落ちる涼しげな水が印象的な、9棟カテーテル室のリカバリー待合スペース。実はここ、地下のお部屋なのですが、とてもそう思えないほど、やさしい光が満ちています。
中庭には、仲良く並んだ椅子が2つ。その向こう側の壁面を静かに水が流れ落ちる光景は、心を落ち着かせ、癒しを感じさせてくれます。
患者さんに心身ともにゆっくりお休みいただけるように、と願いが込められたスペースです。

温室
当院のシンボルともなっている温室は、創立のときから外来患者さん用と、入院患者さん用のふたつがありました。外来患者さん用は、身体の痛みや精神的な悩みで沈みがちになる気分をお慰めするために、また入院患者さん用は、入院時の退屈なひとときを楽しんでいただくために、創立者・大原孫三郎が、大原美術館の絵画を収集した児島虎次郎とともに設計したと言われています。
現在の温室は昭和57年に作られたもので、ピンクの苞葉が美しいブーゲンビリアやとっくり椰子、マニラ椰子など、約20種類の熱帯植物を植えています。
噴水は、旧入院患者さん用の温室にあった型を、1.5倍の大きさで復元しました。支柱の部分に掘り込まれた「OHNE WASSER KEINE LEBEN ―水なきところに生命なし」の言葉通り、溢れる水は豊かな生命力を感じさせてくれます。
温室は患者さんの憩いの場であると共に、職員にとっては、創立者の心に触れることのできる場所となっています。

スリップウェアーのタイル
2棟1階のエレベーターホールにある、変わった模様が並んだ装飾をご存知でしょうか?この装飾、「スリップウェアー」と呼ばれるイギリス中世風陶器のタイルが使用されています。1枚ずつ異なる模様が描き出されています。
鳥取岩井窯の陶工、山本教行の作です。
スリップウェアーとは、陶器の表面にスリップと呼ばれる泥しょう(水と土を適度な濃度で混ぜたもの)状の化粧土をかけ、さらにその上にスポイトで細く流したり、筆で描いたり、引っかいたりして模様を描いたものです。陶器の表面にスリップを幾層か重ね、表面が生乾きのうちに線で引っかいて、下側の異なる色のスリップ層や陶器の素の色を露出させて模様を描くものもあります。
院内には、他にもこのスリップウェアーのタイルが装飾された場所があります。不可思議な模様のこのタイルを、ぜひ探してみてください。

病棟・外来の壁の白磁
2棟エレベーターホールの上、スタッフステーションのカウンター等、病棟・外来の壁に絵入りの陶板があります。瀧田項一氏(栃木県那須烏山市)の作です。
動物や魚、花など、さまざまな模様が描かれ、院内各所で心を和ませてくれるこのタイル。同じ模様でも、すべてが手作りのため、1つひとつが若干異なります。
エレベータをお待ちになるときに、ちょっと視線を上にあげてみてください。いろんな模様と出会えますよ。

9棟屋上庭園
9棟心臓病センターに、広々として見晴らしの良い屋上庭園があります。当院はもちろん、倉敷の町並みも一望でき、心地よい風が感じられる、絶好のスポットです。
この庭園は、ボランティアの方々が管理をされており、いつでも美しい花を見ることができます。手入れの行き届いた花は、心を和ませ、ホッとさせてくれます。
足元のタイルやベンチに木材を使用し、自然の風合いを肌で感じられるスペースとなっています。
【開園時間】
夏季(5/1~9/30)8:00~19:00
冬季(10/1~4/30)8:00~16:45
【開園時間】
夏季(5/1~9/30)8:00~19:00
冬季(10/1~4/30)8:00~16:45

フレスコ画「北斗七星」
病院の通路にそれぞれ名前があることを、皆さまご存じですか?温室東通り、温室西通り、2棟と南出入り口を結ぶうぐいす通り、そして1棟の通路が北通りです。以前はそれぞれの通路に因んだイラストを描いたサインボードが掛けられていました。
セントラルパーラーができたとき、北の出入り口上に、北通りのシンボルである北斗七星をテーマに制作された作品が、今回ご紹介するフレスコ画「北斗七星」です。フレスコは西洋の壁画などに使われる技法で、砂と石灰をまぜた漆喰の上に、水だけで溶いた顔料で絵を描いたものです。色が大変美しく、耐久性に優れています。
作者は作野旦平さんです。右下の淡いオレンジの建物は、作野さんが修行したイタリアの街をイメージしているといわれています。作野さんは総合保健管理センター、アイビースクエア食堂前のホール、市庁舎の議場にもフレスコ画を描かれています。

病院を見つめてきた灯りたち
当院建設にあたり創設者大原孫三郎は、優秀な人材を招き、最新最高の医療施設・設備を整えるよう指示しましたが、患者さんの療養環境についても行き届いた心配りをしました。窓を大きく設け、光があふれ風の通る病室にし、建具は丸く面取りをし、淡い灰色に紫を混ぜた、落ち着いた中にも明るくやわらかさのある色にしました。「住まいのような環境」が彼の理想でした。表紙の照明器具も、創設者のそうした思いによって選ばれたものたちです。
当院では増改築を進める中にも、創設者の思いを受け継ぐために温室を残し(新しく造り直しました)、窓や階段の床材、灯りなど、昔の病院で使っていたものを、大切に再生して使っています。

第3棟 うぐいす通り
かつて、この通路の脇にバラを植えた庭があり、「ナイチンゲールの庭」と呼んでいました。ナイチンゲールとは夜鳴きうぐいすのことで、それに因んで、うぐいす通りと名付けています。
新3棟増築工事完了後は、南玄関に繋がり、当院の幹線通路となりました。

ステンドグラス 「木漏れ日からの発想」
廊下を歩いていると、木の葉をもれる光に誘われて、ふっとガラスの方に身を寄せてしまいそうです。
フラワーガーデン横の廊下を南に突き当たった右手の、縦約4メートル、横約3.7メートルの5角形のステンドグラス。
晴れわたった空を思わせる青色のガラスの中に、緑と茶の丸いガラス。西日を受けると、濃き淡き緑と茶や黄色の葉が揺らめいて、まるで林の中にいて、ある時はきらきら光る、またある時はやさしくゆれる日差しを浴びているようです。
入院中の患者さんに光と風を楽しんでいただきたいと作られたステンドグラス「木漏れ日からの発想」。作者は舩木倭帆(ふなき しずほ)さん、ガラス工芸の第一人者です。
皆さんもここに来られたら、ちょっと立ち止まってみてください。小鳥の声が聞こえてくるかもしれませんよ。

3棟うぐいす通りの絵画
大原美術館が若手作家の支援として行っているARKO(アルコ)の第1回対象者 津上みゆき氏の作品です。
津上さんは、時々の景色をその場でスケッチし、そこにある時間と空間を、「眺め」=「View」としてキャンバスに描き出します。
本作品の制作にあたり、倉敷に5日の日程で滞在、スケッチ取材を行いました。屋根瓦ひとつひとつにも人の手を感じ、折り重なる眺望の中にも人の暮らしを見つつ、それらを縫うように縦横に流れる水路を描くうちに、その本流である高梁川の源流付近にまで赴き、この滞在で得た事柄を軸に、様々な視点の4枚の作品をひとつの連なりとして描いたそうです。
"View-A story of water,2010"
(左上から)
View-A story of water, at 10:50a.m.,27 Jul.,10
View-A story of water, at 2:30p.m.,30 Jul.,10
View-A story of water, at 7:22a.m.,28 Jul.,10
View-A story of water, at 3:07a.m.,30 Jul.,10

第3棟 屋上庭園
地上51mにあり、倉敷市庁舎の展望台(45m)より高く、児島湾、倉敷市庁舎、酒津などの展望が広がります。
築山を築き、垂れ桜と大原孫三郎の好んだ楓を植え、それを囲んで雨天でも回遊できる廊下を設けました。展望用のマドは倉敷格子に倣っており、倉敷美観地区の白壁の町並みの風情が感じられるデザインになっています。
芝生には入院患者が足で触覚を確かめられるよう車椅子でも入れるようにしました。芝生のベンチは岡山の名石、万成石、和泉正敏氏によるものです。
場所:3棟14階
【開園時間】
夏季(5/1~9/30)8:00~19:00
冬季(10/1~4/30)8:00~16:45
【開園時間】
夏季(5/1~9/30)8:00~19:00
冬季(10/1~4/30)8:00~16:45

リハビリテラス そらにわ
3棟5階の脳卒中リハビリテーション室に面して、屋外広場「リハビリテラス そらにわ」が設けられています。
リハビリ室では脳卒中の患者さんが身体機能回復のためリハビリに取り組まれています。 その一環として患者さんに「そらにわ」を歩いていただき、屋外の空気や芝生の感触を感じていただいています。
「そらにわ」 の歩道の飛び石や敷かれた砂利は、自宅に帰られた時の庭や屋外の環境を想定したものです。 退院して家の周辺も歩くことができるよう、療法士や看護師と一緒に確認し自信をつけていただければと思います。
天気の良い日には、青空と芝生のコントラストが美しい、隠れた癒しの空間です。
※このテラスは、ご入院の方専用です

時空回廊IDEA
倉敷中央病院は2023年6月2日、創立100周年を迎えました。大きな節目を迎えるにあたり、2013年の創立90周年に開設した歴史ギャラリー「時空回廊IDEA」(1棟1階)をリニューアルしました。
リニューアルのポイントは「当院の歴史と繋いできた使命を紹介するとともに、未来に向けて変革し続ける姿を伝える」。75型の大型ディスプレイ2基を設置し、当院が目指す地域医療エコシステムの実現に向けた取り組みや、トピックスなどを発信します。
外来で当院からのお知らせを発信しているサイネージとは異なり、タッチパネル形式となっています。90周年記念動画に直近の10年間を追加した当院紹介動画も、選択すると閲覧できる仕様です。

陶板 豊饒と祈り
入院患者さんをお迎えする、3棟1階 入退院支援センター 受付け背後の陶板をご存じでしょうか?
制作は、大原美術館の絵画を蒐集した児島虎次郎氏の孫、児島塊太郎氏です。陶板への想いを、次のように語ってくださいました。
創設者の大原孫三郎氏はキリスト教の影響を受けられたと聞いています。葡萄酒がキリストの血とたとえられることから、葡萄の文様を描くことで氏の創立の想いを表現しました。
十字で四つに分割された葡萄は、患者さんを表現しています。背景を朱にしたのは、神聖な空間を意味しています。作品の外周の葡萄は、その患者さんをあたたかく守る倉敷中央病院です。十字の葡萄を金色にしたのは豊饒を意味し、倉敷中央病院が末永く皆さまをお守りすることを祈って制作いたしました。
入院される患者さんには安心感を、退院される方には希望と祈りを感じていただけたら光栄です。
場所:1-65 入退院支援センター

スリップウェアのタイル
うぐいす通り(3棟)に飾られた黄土色や濃い灰色の四角の中に、継ぎはぎ・レース・風車(かざぐるま)などを連想させる模様が描かれたタイル。
スリップウェアと呼ばれるこの焼き物は、生乾きの器の表面にどろどろの化粧土(スリップ)をかけて文様を描き、鉛を含んだ釉薬をかけて焼いたものです。17世紀のイギリスでは、主に観賞用の飾り皿として作りはじめられ、後にパイ皿として作られるようになりました。日本には民芸の創始者柳宗悦(むねよし)によって紹介され、パイ皿や鍋などの生活雑器として焼かれています。
当院のタイルの作者は岩井窯(鳥取県岩美郡)の山本教行さん。バーナード・リーチにあこがれて陶芸を志し、鳥取の民芸運動のリーダーとして活躍した吉田璋也の熱い指導を受けました。吉田璋也は耳鼻咽喉科の医師で、大正14年から昭和2年まで、当院に勤務していました。
山本さんは2014年、倉敷民藝館賞を受賞されました。
場所:3棟うぐいす通り

いずみの広場
南玄関から北に伸びる廊下(うぐいす通り)の西側、石を敷いた広場。階段状の噴水が、思いのほか強い音を響かせ、緑あふれる森の奥深く、あるいは悠久の世界にいざなってくれるようです。両脇の斜面は、小さい子たちには丘にみえるのでしょうか。駆け上がったり、水に入ったり。明るい光の中、楽しそうに走り回っています。
敷石は、強い日差しのはね返りを和らげるよう、表面に微妙な凹凸が施されています。どことなくやさしい雰囲気が漂うのは、そのためでしょうか・・・
南側の欅が少し大きくなりました。春の芽吹き、初夏の新緑、夏は木陰、秋は紅葉と、季節の楽しみをもたらせてくれます。西側の重厚な趣の石塀は、閑谷学校の石塀をイメージして作られました。中央あたりには、紅白のしだれ梅が可憐です。
噴水ならびに広場の制作は、石彫家の和泉正敏さん。イサム・ノグチのパートナーとして、長年共に仕事をされた方です。