手術支援ロボット ダヴィンチ(da Vinci)による
胃がん手術
当院では、胃癌に対するロボット手術が保険適用となった2018年よりダヴィンチ(da Vinci)を用いたロボット手術を継続的に実施しており、ステージⅠ~ステージⅢ症例を適応としています。ダヴィンチを用いて手術を行うことで、術後の膵関連合併症の発生低下が期待されています。当院で実施された150例において、膵関連合併症の発生は認めておらず、術後の在院日数は7日前後となっています。
開腹手術でも困難だった操作が可能に
ロボット手術では、医師は内視鏡の3Dカメラで映し出された鮮明な立体画像を見ながら手術します。この3Dカメラのデジタルズーム機能は、術部を10倍まで拡大することができます。また、手術操作時に用いるロボットアームは、人の手以上に器用な動きが可能で、狭い隙間でも自由に器具を操作することができます。ロボットアームの先端は医師の手と完璧に連動し、自分でメスを持っているような感覚で手術できることも特徴で、ロボットにしかできない動き(関節の360度回転など)が加わることで、開腹手術でも困難だった操作を可能とします。さらに、手先の震えが鉗子の先に伝わらないように手ぶれ補正の機能もあり、細い血管の縫合や神経の剥離など、緻密な作業も正確にできます。
ロボット手術の適応
当院ではステージⅠ~ステージⅢをロボット手術の適応としており、術式は幽門側胃切除や噴門側胃切除・胃全摘術などで行います。
ロボット手術に要する時間
手術時間は平均で約4-5時間です。
従来の腹腔鏡手術と同等の手術時間となります。