新ハイブリッド手術室での脳神経外科手術
新ハイブリッド手術室が完成し、2024年1月、脳神経外科・脳卒中科の手術で稼働を開始しました。脳神経外科領域においては、切って治す開頭手術と切らずに治す脳血管内手術は全く異なる手術になります。ハイブリッド手術室は「開頭手術を行う手術台に脳血管内手術を行う血管撮影装置を組み合わせた手術室」で、開頭手術と脳血管内手術を同時もしくは単独に行えます。2つの手術のメリットを生かし、確実で迅速で安全性の高い脳神経外科手術が可能となりました。
新ハイブリッド手術室では、脳神経外科で主に使用する血管撮影装置がフィリップス社製のAllura Clarity FD20/20から世界最高峰スペックであるAzurion7 B20/15に変わります。Azurion7は被爆線量を抑えた低線量で高画質の画像が得られ、タッチパネル操作で脳血管内手術中に画像解析を行えます。
また従来は、脳血管手術後に手術室に移動してから開頭手術、もしくは開頭手術後に血管撮影室に移動してから脳血管内手術を行っていました。ハイブリッド手術室では、開頭手術と脳血管内手術を同一手術室で同時もしくは迅速に続けて行えます。開頭手術と同時の脳血管内手術の必要性がなくても、開頭手術中に血管撮影装置を用いて脳血管撮影を行えます。加えて血管撮影装置付属のCT撮影により、開頭手術中に病変位置と残存病変を確認することが可能となりました。脳血管内手術自体の確実性と安全性の向上、患者さんの負担軽減に繋がると期待されます。