近年における手術やカテーテル治療、薬物療法の進歩により、先天性心疾患を有する患者さんの多くが成人に達するようになりました。当初このような患者さんは小児循環器内科や小児心臓血管外科で診療を継続してきましたが、長期的な経過において、その他の生活習慣病や心疾患以外の成人性疾患が生じるなどの問題があります。そのため、当院では成人に達した先天性心疾患(Adult Congenital Heart Disease: ACHD)患者さんを包括的に診療する目的で、2008年4月から循環器内科にACHD外来を開設しました。当初は、当院の小児科で定期的に経過を見ていた患者さんで、科の移行をご希望あるいはご了承いただいた患者さんの診療にあたっておりましたが、現在ACHD患者さんは増加傾向となっており、2015年4月より院外からの紹介患者さんにも対応できるように、隔週木曜日の午後もしくは毎週金曜日にACHD外来を増やし診療にあたっています。
2008年より、当院では少なくとも月に1回、ACHD患者さんの定期カンファレンスを行っています。小児科医、循環器内科医、産婦人科医、各専門看護師、検査技師などの多職種で症例検討を行い、ACHD外来への移行対象患者さんや、移行前後のケアや問題点について相談を行っています。ACHD患者さんの問題点の一つとして妊娠、出産の問題がありますので、出産を望まれるACHD患者さんや実際に妊娠、出産となるACHD患者さんについて綿密な相談の上、方針を決定しています。疾患や生活上の不安が問題となる場合は、必要に応じて臨床心理士や精神科医に相談し、適宜介入を行っています。
心臓超音波検査、心筋シンチグラフィ検査、心臓CT検査、心臓MRI検査などを必要に応じて施行し、正確かつ専門的な診断を行っています。カテーテル検査は状況によっては日帰りで行うことができます。電気生理検査やペースメーカー埋込み術、カテーテルアブレーション治療は入院の上施行します。心房中隔欠損症や動脈管開存症に対するカテーテル閉鎖術も実施しております。
ACHD外来は以下の医師が担当しております。ACHD外来に関する相談、ご質問につきましては、かかりつけの医師と相談の上、倉敷中央病院循環器内科までご連絡ください。
相談窓口
第2、第4週木曜日午後 担当 福 康志
毎週金曜日午前、午後 担当 大家 理伸