予防しよう!骨粗鬆症

予防しよう!骨粗鬆症
予防しよう!骨粗鬆症

骨粗鬆症とは

「粗鬆」は内部に隙間ができてスカスカになるという意味です。骨の強度が落ちて骨折しやすくなる病気を「骨粗鬆症」と言い、寝たきりや健康寿命の短縮の大きな原因となります。事故などで大きな力が加わって骨が折れるのが通常の骨折です。骨粗鬆症の骨折と区別するため、転んだだけや、何もしていないのに折れたものを脆弱性骨折と呼びます。骨粗鬆症の患者さんは約1,300万人、治療を受けていない患者さんが約1,000万人とされていますが、その多くは骨粗鬆症のチェックを受けずに放置されています。年齢を重ねると骨の強度は低下します。特に女性は男性より、やせた人は太った人よりも骨折しやすいです(図1)。

骨粗鬆症の怖さ

骨折をすれば痛みがありますが、骨折しなければ骨粗鬆症は無症状です。ただ、若いころと比べて身長が4cm以上低下したり、背中が丸くなったりすると骨粗鬆症の可能性があります。
骨折を一度すると次は5倍起こりやすくなり、さらに他の部位も連鎖的に骨折しやすくなると言われています。体のどの骨折も次の骨折の引き金となり、ドミノ現象のように続きます。骨粗鬆症の多い女性では、要介護の原因が認知症に次いで骨折・転倒となっています(図2)。さらに骨折の生命予後は「がん」よりもひどく、5年生存率が50%を下回ることまで分かっています。

継続した服用が不可欠

牛乳などカルシウム製品を摂取しても、まったく効果はありません。骨粗鬆症の治療薬を服薬し続けることで丈夫な骨となり、その結果骨折が減って寿命が延びます。まだ骨折をしていない軽症の患者さんから、骨折を繰り返す重症患者さんまで、それぞれに合った薬があります。薬は飲み続ける必要がありますが、途中で中断する患者さんもいます。中断すればすぐに骨折のリスクは高まりますので、絶対に自己判断で中断してはいけません。薬を飲み続けることで、骨密度を正常値へ近づけます(図3)。

骨粗鬆症か調べる

当院の予防医療プラザでは人間ドックのオプションで骨密度検査を行っています。また、当院内のヘルスケアショップでも超音波簡易骨密度検査を行っています。かかりつけの医師から骨粗鬆症の疑いがあると紹介状が出ることもあるかもしれません。当院の予防医療プラザで「骨粗鬆症外来」を2019年10月からスタートしました。最初の検査は骨折前の50~60歳ぐらいがおすすめです。骨折で思い当たる人は、ぜひご相談・受診してください。

 

(2020年1月発行 倉敷中央病院広報誌「KNEWS No.42」から)

 

 

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