最新式の撮影機器『D-SPECT』の導入により、下記の点が改善され、より良い医療を提供できるようになりました。
当院では、主に狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患に対して、虚血の部位、範囲と程度を明らかにして心臓カテーテルの必要性や冠動脈バイパス術の適応などの方針を決定するために、施行します。
心筋シンチグラフィーは、放射性同位元素を注射し、心臓の筋肉(心筋)に取り込まれた放射性同位元素から放出される放射線を撮影することにより、心筋の血流や心筋のダメージの程度を評価する検査です。
近年、画像診断技術の進歩により、心臓CTや心臓MRIが当院でも使用可能となっておりますが、心筋シンチグラフィーには50年以上の歴史があり、膨大な経験とそれに基づくエビデンスが確立されており、現在でも年間2,000例以上の検査が実施されております。
基本的に、心臓に負荷をかけた状態と、安静の状態の2回に分けて撮影を行います。
負荷方法には ①運動負荷 ②薬物負荷 の2種類があります。
※運動が難しい方でも、臥床で薬物を投与することで、問題なく負荷検査を行うことができるので、ご心配いりません。
● まず負荷を行い、放射性同位元素を注入後、撮影を行います。 (負荷時)
● その後、約3時間程度あけて、安静時の撮影を行います。 (安静時)
※使用する放射性同位元素の種類により、時間や投与方法は多少異なります。
心臓の血流が正常な方は、負荷時も安静時も、放射性同位元素の心筋への取込みが正常(良好)であり、心臓の陰影がきれいに描出されます。
狭心症では、下図矢印のように、負荷時に血流低下を認める領域(狭心症の領域)の放射性同位元素の取込みの低下を認め、数時間後の安静時には正常領域と同様の取込みを認めます。
心筋梗塞では、上図矢印のように、負荷時も安静時も取込みの低下を認めます。
以前に機器で撮影したものとD-SPECTで撮影したものとの画像比較です。
D-SPECTで撮影した画像の方が飛躍的に綺麗になっていることがわかります。