4月から倉敷中央病院の手術センターに勤務する看護師の玉崎葵さん。岡山大学の学生時代、国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」に関心を持ち、企業と協働して看護実習服をポシェットとポケットインポケットへリメイクする活動に取り組みました。思い出の詰まった“相棒”とともに、一人前の看護師を目指して日々の業務に励んでいます。
コロナ禍でオンライン授業が中心となった2020年春先以降、自宅での時間が増えるなかで、ふと、ほとんど着なくなった看護実習服が目に入りました。実習服の購入は上下で万単位を支払っており、「卒業後に捨てるのはもったいない。何か活用できないのかな」という疑問を、SDGsに取り組むナガイレーベン株式会社へメールで相談することに。同社から「業界全体で考える必要のある課題。ぜひ意見交換をしたい」と返信があり、具体的な活動が始まりました。
ともに学ぶ同期や岡山大学病院の看護師らに「実際の現場で使いやすい商品は」などとアンケート調査するなどして方向性を検討しました。Zoomを通じて同社とも協議を進め、「試行錯誤を重ねたこともあり、使いやすい」というリメイク品が完成。大学の同期の約半数がリメイクに賛同し、現在は大学の後輩が活動を引き継いでいるそうです。
この取り組みが反響を呼び、山陽新聞の5月19日付朝刊にも掲載されました。玉崎さんは「0から企画を立ち上げて実現に至るまでは大変でしたが、良い経験になりました。手術センターでは先輩方や同期に恵まれ、楽しく充実した毎日を過ごしています。同じ大学出身の同期がいないので時に心細く感じますが、本企画で作った商品を身に着け、今後も精進していきたいと思います」と話されています。