診療放射線技師の渡辺大輝さんがグロービス経営大学院大学を修了し、経営学修士(MBA)を取得しました。
診療放射線技師のキャリア形成では放射線技術科学の大学院への進学が一般的とされるなかで、経営学を学んだ渡辺さん。進学のきっかけや経営学を学んで変化したことなど、今の気持ちを聞きました。
進学のきっかけと周囲の支援
進学のきっかけは3年前、入職8年目を迎えて後輩を指導していく立場になり、今までの経験則だけでなく専門的な知識を身につけて教育に携わっていきたいと考えたこと。上司から「しっかり頑張って」と激励の言葉を受け、大学院進学を決めました。
入学すると、生活リズムは一変。夜遅くまで授業に参加し、朝早く起きて課題に取り組んでから出勤、帰宅したら子どもの世話をする……。忙しない日々を送っていた渡辺さんですが、ストレスを感じる場面は少なかったと振り返ります。授業がある日の前後は夜勤や早出勤務を外してもらうなど、部署の職員のサポートのおかげで仕事と学業が両立できる環境が整っており、集中して打ち込むことができました。
大学院での学びと成果
大学院では「ヒト・モノ・カネ」の3領域から経営全般の知識を体系的に修得しながら、実践力を身につけたほか、今後医療業界での活用も期待されるAIや深層学習についても学びました。特にヒトの分野と企業や組織の変革に関心のあった渡辺さんは、人材マネジメントやリーダーシップを養う科目を中心に取り組みました。
同期の受講生は約1500人。年齢や職種だけでなく、住んでいる国も異なる人との交流に、渡辺さんは大きな刺激を受けます。ディスカッションをすると、それぞれの経験に基づいた三者三様の意見が挙がるため、毎回新鮮な学びがありました。
経営学を学んだことで、視座が高くなり、物事を俯瞰的に見られるようになったと話す渡辺さん。問題の本質を見極め、クリティカルに解決する方法を考える力が身につき、仕事で後輩と接する時に生かすことができました。さまざまな経験を積んできた大学院の同期とのやりとりも、視野を広げる助けとなりました。
また、経営収支の内容を理解し、病院の現状や今後の方針がわかるようになりました。加えて、これまで機械学習やプログラミングに苦手意識を持っていましたが、授業で学んだことで現場に導入されているソフトウェアの仕組みが以前より理解できるようになりました。苦手を克服し、前向きに仕事ができるようになったことは大きな変化だったと渡辺さんは話します。
大学院での学習を終えて
職員が病院の目指す方向を理解していることは、前向きに働くために重要だと思います。病院の方針に対しての不満は勤務態度に表れ、患者さんにも伝わってしまいます。他分野を通して物事は多面的であるということを学べれば、マイナスな気持ちをコントロールしたり、職場への理解を深めたりすることにつながると思っています。
専門分野を学ぶだけでなく、一見自分の職種に関連がなさそうな分野に触れることが視野を広げるきっかけになることもあるため、後輩にはやりたいと思ったことにどんどんチャレンジしてほしいです。
最後に、今回進学を快諾してくださった放射線技術部長をはじめ、在学中、仕事と学業を両立できる環境を作ってくださった部署の皆さまに本当に感謝しています。ありがとうございました。
放射線技術部 渡辺 大輝