心臓(僧帽弁)のモデル完成!

心臓(僧帽弁)のモデル完成!

僧帽弁の疾患をより分かりやすく患者さんに伝えるために
リアルな心臓の模型を制作しました。

心臓模型制作プロジェクトメンバー
【手前左から】寶口 智士さん(歯科技工士)、小宮 達彦副院長(心臓血管外科主任部長)
安達 義明さん(看護師)
【二列目左から】高橋 孝平さん(歯科技工士)、西村 明恵さん(歯科技工士)

 

搬送システム 検体投入
大動脈モデル

大動脈モデルに続き、心臓モデルを作成
大動脈モデルの細かい造形や説明時の伝わりやすさに感銘を受けた小宮副院長が、僧帽弁をメインとした心臓モデルの作成をと希望したのが今回のプロジェクトの始まりです。
各種弁周囲の位置関係が伝わりやすく、高齢の方にも見えやすい構造になるよう意識し、小宮副院長と歯科技工士が意見を出し合いながら制作しました。

複雑な心臓のかたちを見事に再現

患者さんへの手術の説明は、わかりやすく行う必要があります。今まで、心臓の絵を使って説明をしていましたが、心臓の弁は複雑な構造なので、よくわからないのではないかと感じていました。模型については弁の位置を正確にすることにこだわりました。僧帽弁には乳頭筋が2つあり、多数の糸のような腱索が弁尖につながっています。模型では乳頭筋の位置、腱索のつき方も、本物と同じです。歯科技工士の皆さんが複雑な心臓のかたちを、見事に再現していただけたことに感心しています。3Dプリンターがあれば、模型をたくさん作ることも可能になるようですので、今後の発展を期待しています。
心臓血管外科主任部長 小宮 達彦 副院長

 

僧帽弁の仕組みを分かりやすく伝える

心臓には左側に僧帽弁と大動脈弁、右側には三尖弁と肺動脈弁の4つの弁があり、体に栄養や酸素を送るためにポンプのように血液を送り出しています。
僧帽弁は左心房と左心室の間にあって、左心房から左心室に送り出した血液が戻らないよう開いたり閉じたりしています。
僧帽弁閉鎖不全症はその僧帽弁がうまく閉じなくなり血液が左心室から左心房に逆流してしまう症状のことをいいます。


左心耳血栓の説明にも

左心耳は左心房の端にあり、血液がよどむと血栓が形成されやすい部分です。 心房細動により形成された血栓は、心臓内から大血管を通って脳血管に移動し、脳血管を閉塞することがあります。

心臓モデルの今後の活躍に期待

現在この心臓モデルは、小宮副院長の外来で使用されていますが、今後量産できる体制になった際には、G-ICUやその他の病棟にも配置したいと考えています。
また患者説明への活用だけでなく看護師や実習生への教育にも役立て、解剖や心臓弁膜症の病態理解を深め、看護に生かしていきたいと考えています。
さらに、循環器内科医師からも外来で使用したいとの声もあり、心臓モデルの活躍の場が広がることを期待しています。
G-ICU看護師 安達 義明

患者さんも手にとって、観察してもらいたい

歯科技工士は心臓を目にする機会がないため、心臓の形を作ること自体が大変難しく小宮副院長はじめ、関係の先生方、安達さんに何度もアドバイスを受け何とか形を作ることができました。
製作を進めていくなかで、心臓の形や弁の形状、位置、すべてに意味や関係性があることを知り、その専門性の高さに驚かされました。
僧帽弁の製作では使用する素材選びから相談を重ね、厳選した適度に柔らかな素材で製作しています。実際の弁のように開いたり閉じたりできる仕様になっており今回のこだわりポイントの一つです!
歯科技工士 寶口 智士、高橋 孝平、西村 明恵

 

職種を越えたチーム医療

成人サイズの大きさ・大動脈内部の観察・僧帽弁の再現・位置関係の再現をテーマにスタートしました。
3DCT画像や解剖の教科書を基に内部構造の位置関係やサイズ感を調整し、小宮副院長からアドバイス受けながら、歯科技工士の技巧により心臓モデルが完成しました。
試作を繰り返し完成した後でも、次の展開へと話は尽きません。

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