車いすの子どもたちを応援
「世界に一つだけのプレート」

車いすの子どもたちを応援  「世界に一つだけのプレート」

車いすの子どもたちを応援「世界に一つだけのプレート」

 

12月2日、当院に通院中の高校生に、オリジナルの車いすプレートが贈られました。彼の描いたデザイン画を、岡山県立倉敷工業高等学校(以下、同校)機械科の生徒が金属プレートから切り出した「世界に一つだけのプレート」です。

封を開けると、生徒たちが「依頼者に喜んでもらいたい」一心で、配色パターンを皆で考え、着色した4枚のプレートが。
「え!こんなに作ってくれたんだ!」「どれもいいなあ!」部屋に響く彼の声を、直接生徒たちに聴かせたかったな…当院のボランティアコーディネーターは彼らの顔を思い浮かべました。

 

同校が有するレーザー加工機

同校は2004年より毎年、当院の外来や病棟で患者さんが使用する車いすを整備するボランティア活動を継続されています。2021年12月、ボランティアコーディネーターが同校を訪問した際、機械科の生徒が金属プレートからデザイン画を切り出す実習の紹介を受けました。
「車いすの背にオリジナルのプレートが飾り付けられれば、子どもたちの力が湧くのでは」
車いす整備ボランティアを指導する担当教諭 山崎先生に相談したところ、車いす整備の課外活動のなかで取り組むことを快諾いただきました。

 

ボランティアコーディネーターがまず声を掛けたのは、当院 院内学級の卒業生の一人。
「車いすのプレートを作ってくださるという話があるんだけど、デザイン画を描いてみない?」
彼は喜び、世界に一つだけのデザイン画を描き上げました。自身が所属するボッチャチームの名前を配し、イニシャルを添えて。

 

デザイン画を受け取った山崎教諭と生徒たちは早速製作に着手。まずはレーザー加工用にデザインを調整し、プログラミングします。「文字のとがった部分で手を傷つけないように」と、細部に丸みを持たせるよう調整するなど、使い手を思い、工夫を凝らしたそう。切り出したプレートは、数段階のやすり掛け(200番、300番、400番、800番)とコンパウンド磨きを重ね、丹念に仕上げられました。

 

11月21日、今年2度目の車いす整備ボランティア整備で来院した生徒たち。
ボランティアコーディネーターに完成したプレートが手渡されました。
依頼者にはあったことがない、顔も分からない。
けれど。
車いすの整備、その先におられる利用者への想いを一層深めた彼らです。

 

生活に欠かせない車いすの背に、世界に一つだけのプレート。
車いすが、同校と当院、さらに生徒同士の縁をつないでくれました。
新たに2名から希望があり、すでに制作が始まっています。

「依頼をいただき、責任を持って仕上げる体験は生徒たちにとってかけがえのないものになる」と山崎教諭。子どもたちの力になれればと願い、同校の力により子どもたちの「希望」を叶える取り組みが続いていきます。

 

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