ぺりお外来( 周術期管理外来)

ぺりお外来とは

多職種の専門家がチームを組み、手術患者を支援します。

手術に臨む患者さんを手術が決まった時点~退院までの期間、多職種のチームでサポートするために受診していただく外来です。当院では、手術患者さんを対象に周術期管理外来(通称「ぺりお外来」)を2016年4月に開設しました。

あなたが手術を受けることになったら…

あなたにとって人生の一大事を挙げよ、といえば出生、進学、就職、結婚、出産などがまず思い浮かぶことでしょう。いずれの出来事も自分だけではなく周りの多くの人たちに影響する大きなイベントです。
あなたがもし、病気になって手術が必要となったときもこれらと匹敵するような大きな出来事となるのではないでしょうか。仕事はどのくらい休めばよいか、家庭の都合をどうつけるか、手術に伴う費用はいくら必要か、など多くの悩みを抱えることになります。さらに、場合によっては手術後のライフスタイルを変える準備が必要となるかもしれません。そのような皆さんの人生の一部を大きく変える可能性のある手術という大行事に対して私たち医療者はどのように手助けできるか、を考えてみました。

チーム医療の重要性

残念ながら手術を行う医師だけの力では、手術に伴う皆さんのこれらの悩みを解消することはできません。病院には医師だけではなく多くの職種が集まっています。そこで、多職種で皆さんの手術に関する課題を解消していこうという発想から周術期管理チームが誕生しました。

周術期管理をチームで行うことの意義は、

  1. 各々の専門性を発揮することにより効率的な管理が行える(『餅は餅屋』)
  2. チームで情報を共有し相互のチェック機能を強化してより高度な安全性を構築する
    (ダブルチェック、トリプルチェック)

チームメンバーの主な役割

主治医 病気の治療。手術の執刀。すべての管理の責任者。
麻酔科医 術前から術後まで一貫した全身状態の評価と管理。
歯科医・歯科衛生士 歯の脱落など口腔内トラブルの回避。周術期感染症の予防。
看護師 周術期リスク評価。診療内容のチェック。他職種連携コーディネイト。
薬剤師 使用中の薬をチェックし、継続、中止をアドバイス。
リハビリ療法士 術前、術後のリハビリテーション。
管理栄養士 術前、術後の栄養指導。
検査技師 検査の内容確認と補完。
医療ソーシャルワーカー 退院後の支援や公的補助についての説明、相談。
診療サービス(事務) 入院や手術に必要な費用の説明。

小病院だからできること

さて、こうした周術期管理外来は県内では、岡山大学病院の「PERIO」や倉敷中央病院の「PMT」が先駆けとなって誕生しました。いずれも名だたる大病院でたいへん立派な周術期チーム医療を行っており、県内外から高い評価を受けています。
〈注:周術期管理は英語で Perioperative management といいます。PERIOや PMT はそこから派生しました。〉

当院のような小病院の周術期管理外来は全国的にも非常に珍しいケースですが、大病院にない特徴を有しています。小病院ならではの「小回りのきく」チーム医療です。小回りとは、迅速性と柔軟性を意味します。たとえば、お薬の鑑定は薬の実物、またはお薬手帳をお持ちであれば、その日10分で結果が出ますし、急に心臓の超音波検査(心エコー)が必要になった場合でも、その日のうちに結果が判明します。さらに動揺歯などで歯科治療が必要となった場合でもその日のうちに歯を保護するプロテクターを作成することができます。

こういった介入を要する術前管理は大病院では日程を改めて組みなおす必要がありますが、小さい組織であれば臨機応変に対応することができます。

私たちチーム全員は、皆さんの目線で周術期管理を行うことをモットーとしています。手術をお受けになることが決まりましたら、ぜひ私たちに何でもご相談ください。「ぺりお外来」でお待ちしています。