Vol.21 
感染対策に力を注ぐ 
感染制御室 感染管理認定看護師 
木村 聖子

Vol.21   感染対策に力を注ぐ   感染制御室 感染管理認定看護師   木村 聖子

内科外来に滞在していた複数人が、新型コロナウイルス検査で陽性となった2021年4月の当院でのクラスター。「完全に防ぐのは難しかった例だよ」などと周りの皆さんから声を掛けていただきましたが、悔しさや申し訳なさ、無力感に苛まれました。ただ、時期は患者数が増え始めた第4波初期。下を向いていても感染は止まってくれません。そんな私を支えてくれたのは、職員や委託業者の皆さん。感染対策が破綻しなかったのは、皆さんの協力があったからこそ。この2年間は、多くの感謝であふれています。

当院は第2種感染症指定医療機関として、保健所や消防局を交えた定期的な実地訓練や、感染対策のマニュアルを整備するなどしていました。それらにCOVID-19のエビデンスやガイドラインを盛り込み、感染管理に向けた科学的な意見を対策本部や各部署に伝えました。私たちが伝えた内容だけにとどまらず、各部署でPDCAサイクルを回して部署に適した対策を立ててくださる。当院の組織力の高さを、このコロナ禍でも再確認しました。

地域の感染者が減らなければ、当院での治療を必要とする患者さんも増える一方 です。感染管理認定看護師として岡山県クラスター対策班に加わり、クラスターが発生した10数施設を訪問し、各施設で正しい手指衛生や防護具の着脱方法、ゾーニングの確認などをフェーズごとに指導することもありました。

2021年も終わりに差し掛かるころ、うれしい出来事がありました。職員のユニフォームのクリーニングを委託している業者さんから「私たちもチームの一員として支えていると思っている。関われていることを誇りに思う」と声を掛けられました。病院からの洗濯物を扱うことに不安を感じていらっしゃるのではと思っていたので、とても驚き、うれしく感じました。コロナ禍の行方はまだ分かりませんが、これからも一人ではなく、多くの方と協力しながら感染対策に力を注いでいきたい。

(取材:2021年12月21日)

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