「患者を受け入れる病棟がなくなる」
県内でも新型コロナの陽性者が確認され始めた2020年4月初旬。院内に専用病床を設けることが決まりました。
陽性者が入院すると、その後の部屋の改修は困難です。ドアの設置場所や部屋の陰圧化、トイレの電池の入れ替えなど、聞き取った病棟のニーズから漏れがないよう徹底しました。病床に仮設トイレを設けるのも初めてでした。グリーンゾーンからレッドゾーンが見えやすいよう透明度の高いフィルムも調達し、病室のドアも開けっ放しにならないように整備しました。
工事業者さんも未知の感染症への恐怖心を持たれていましたが、感染対策を適切に取ればリスクを下げられることなどを理解いただきました。「陽性者を1日でも早く助けたい」という医療スタッフの思いを胸に、専用病床化決定から5日後、無事に完成しました。
実感したのは、院内各部署や外部業者ら、皆の力を合わせたチームワークの大切さ。今後も安心できる施設づくりと、快適な環境が提供できる病院を目指していきたいです。
(取材:2021年12月23日)