当院は総合周産期母子医療センターであり、近隣だとここでしか対応できない妊婦さんがいます。クラスターなどで閉鎖することがないよう感染対策に気を配りながら、陽性妊婦さんの出産に対応する手順を作成し、手術センター、NICU、産科合同でシュミレーションを実施するなど受け入れ体制を整えてきました。
陽性の妊婦さんをいざ前にすると細かい調整が日々必要となり、手順の見直しを行いました。また感染したお母さんは、しばらくの間、抱っこや授乳はおろか、我が子に触れることも直接会うこともできない状況に大変心を痛めます。多職種でカンファレンスを開き、どうすることが最善なのか話し合いを重ねました。
助産師として大切にしている言葉に「低聴感微」があります。院内研修の講師の造語だと思いますが、いつも謙虚に相手の言葉の背景にある感情に耳を傾け、感謝の気持ちを常に持ち、微笑みを絶やさずにという意味です。患者さんの多様な背景や思いに寄り添い、課題解決に向けて共に歩んでいきたいです。
(取材:2021年12月23日)