「近づかないで!あなたもコロナでしょ!近づかないでよ!!」
救命救急センターの廊下に響き渡る大きな声、手のひらをこちらに向けて後ずさりする目の前の年配女性、その女性と私に向けられた周囲の視線。驚きのあまり一瞬状況が把握できませんでした。付き添いで来院した女性を待合に案内しようとしたときのことです。
緊急事態宣言が出された2020年4月ごろ、県内でも陽性者が散発的に確認され始めていました。冒頭の女性の不安な気持ちも理解できますが、攻撃的な言葉には心が痛みました。そんなときも話を聞いて「つらかったね」と声をかけてくれた上席、先輩、同僚たち。いかに周りの人に支えられているかを実感しました。
救急事務は、意見を積極的に聞き入れてくれる医師や看護師、人手不足の時応援に来てくれた医事の仲間など、多くの人に支えられています。今春からは他部署の応援に行く機会もできました。これまでの恩返しと、病院全体について学びを深めるチャンスと捉え、学んだことを生かして、医師、看護師の力になれる救急事務チームとしてさらに成長していきたいです。
(取材:2021年6月3日)