
2020年3月下旬、担当していた病棟が新型コロナウイルス感染症患者の専用病棟となることが決まり、かかわるどの職種も準備に追われ、現場は混乱していました。国内での流行当初から、いつか自分も対応するだろうと覚悟はしていましたが、いざ実際に患者さんを受け入れるとなると、正直、怖かったです。
そんな私の気持ちとは裏腹に、レッドゾーンには直接患者さんの治療で奮闘する医師や看護師の姿。「グリーンゾーンにいる私たち薬剤師で負担を軽減できることはないか」、薬剤部のスタッフで検討を始めました。
急変時の対応や薬物療法がスムーズにできるよう、年齢や基礎疾患などについてさまざまな想定をし、判断に迷う時には集中治療科や感染制御室からアドバイスを受けながら、必要な薬剤を準備しました。患者さんの受け入れ後に、普段服用している薬の情報が入手できない場合は処方元の病院へ問い合わせをしたり、注射薬の混合調製などをしたりしてサポートしました。
今後も安全な薬物療法を行いつつ病棟スタッフの負担が軽減できるように、処方提案や処方支援などサポートを拡大していきたいです。
(取材日:2021年4月19日)