心臓MRI検査について
心臓MRI検査の概要
MRIは、磁気の力を利用した画像検査です。従来、MRIは動きのある部位には不向きな検査でしたが、装置や撮影法の目覚しい進歩により、心臓のような動きのある部位の評価も可能となりました。
当院では最新のMRI装置(PHILIPS Inginia 1.5T)を導入し、2013年11月より心臓MRI検査を本格的に開始しています。
心臓MRI検査の特徴
心臓MRI検査は被曝する事なく検査できるのはもちろんのこと、造影剤を使用せず評価できる場合がある等、体に負担の少ない検査といえます。また、従来の画像検査では評価が困難であった心内膜下梗塞の診断も可能となりました。心機能や形態、冠動脈、心筋組織性状など、心臓を総合的に評価できる大変有用な検査です。
心臓MRI検査の目的
当院で検査する場合の主な目的をご説明します。
左室の壁運動評価 (造影剤不要)
MRIによる左室の壁運動の評価は、エコーで問題となる骨や空気の影響を受けず、また任意の方向の断面を撮像でき、最も正確な診断法とされています。
冠動脈の評価 (造影剤不要)
冠動脈の評価については、冠動脈CTで評価困難となるような高度石灰化の症例でも、血管内腔を描出することができます。また他の画像検査とは異なり造影剤を使用せずに評価が可能です。今後、冠動脈疾患のスクリーニングのためにも、積極的に検査を行っていく予定です。
心筋虚血の評価 (造影剤使用)
また少量の造影剤をボーラス投与し、心筋の造影効果から心筋血流分布を評価することができます。
冠動脈狭窄に伴う心筋血流予備能の低下領域を描出するために、冠拡張薬(アデノシン製剤)の投与後と安静時で比較すると、心筋虚血領域では造影剤の到達遅延が見られます。
心不全症例の精査 (造影剤使用)
造影剤(ガドリニウム)を用いた検査では、虚血性心疾患においては、心筋梗塞の分布を明瞭に描出することができ、また従来の画像検査では評価が困難であった心内膜下梗塞の診断も可能です。非虚血性心疾患においては、様々な心筋症における心筋の変性(線維化)を評価することができ、現在原因不明の心不全症例の精査に用いています。
また少量の造影剤をボーラス投与し、心筋の造影効果から心筋血流分布を評価することができます。冠動脈狭窄に伴う心筋血流予備能の低下領域を描出するために、冠拡張薬(アデノシン製剤)の投与後と安静時で比較すると、心筋虚血領域では造影剤の到達遅延が見られます。