カテーテルアブレーションについて

カテーテルアブレーションとは

カテーテルアブレーション(Radiofrequency catheter ablation:RFCA)とは、カテーテルという直径2mm程度の細い管を、足の付け根の大腿静脈(または動脈)から心臓に挿入し、不整脈発生部位にカテーテルを当てて温め、不整脈を根治する治療法です。

治療方法

初めに足の付け根を局所麻酔し、その後カテーテルを心臓にすすめて、X線透視画像と心電図を見ながら治療部位にカテーテルを持っていきます。足の付け根に麻酔を施す時は若干痛みを伴いますが、カテーテルが心臓に入ってきても多少動悸がする程度で痛みはありません。また検査中発作が起きドキドキする場合がありますが、すぐ止めることが可能です。
実際のアブレーションは背中に対極板を貼って、心房の中に入れたカテーテル先端との間で高周波エネルギーを流すことでカテーテル先端の温度を60℃程度まで上昇させることで組織の壊死を作成します。1回あたりの通電は10秒間から60秒間くらいで、不整脈の種類によって通電回数は異なりますが、焼灼している間は、軽い痛みがあったり胸が熱くなったりします。

特に心房細動に対するアブレーションの技術革新は目覚ましく、3次元マッピングシステムを用いた高周波アブレーション、各種バルーンアブレーション(2015年:クライオバルーン、2018年:レーザーバルーン)の導入によって、手技時間の短縮のみならず合併症の低減・再発率の低下が得られるようになりました。

2015年10月~

クライオバルーン

2018年7月~

レーザーバルーン

カテーテルアブレーション(RFCA)の治療時間

カテーテルアブレーションの治療時間は平均約2〜3時間ですが、難治性心房粗動・心房頻拍や心室頻拍などの病気の場合には3〜4時間以上になることもあります。治療後は数時間安静後から歩けるようになります。

カテーテルアブレーション(RFCA)治療後の入院期間

一般的な入院期間は2~4日間です。退院後は通常の日常生活可能となりますが、特に心房細動のアブレーション後は激しい運動や多量のアルコール、刺激の強い食事などは2~4週間程度は避けていただくよう指導しています。

カテーテルアブレーション(RFCA)の合併症

カテーテルアブレーションは、メスは使いませんが異常部位を物理的に焼灼する一種の手術ですので、それによる合併症はゼロというわけではありません。合併症として、カテーテルにより心臓にごくわずかな亀裂を生じる心タンポナーデや正常な電線に障害が及ぶ房室ブロックなどがあり、手術やペースメーカーが必要な場合もあります。

クライオアブレーション

クライオアブレーションでは、液化窒素ガスを利用した直径3cmほどのバルーン形状のカテーテルを用いて、肺静脈の入口部をマイナス40℃以下に冷却し心筋を冷凍凝固させます。手術方法は極めてシンプルであり、確実かつ迅速な肺静脈の一括隔離が可能になります。従来の高周波アブレーションにおける熱エネルギーと異なるため、患者さんの感じる痛みが少なく、安全性が高いといった利点に加えて、再発が少ないことも期待されています。平均手術時間は約75分であり、従来の方法よりも30分以上短縮されました。一方で横隔神経麻痺や食道合併症といった特有の合併症も報告されており、それらを避けるための様々な工夫も行っています。

治療実績