2020年12月、コロナ患者さんを初めて担当した当時は、「感染して家族にうつしたら」とレッドゾーンに入ることが怖かったです。ただ防護服着用など感染対策の効果を実感し始めると恐怖心はなくなりました。
一番辛かったのは、2021年5月の第4波。患者さんの容態はあっと言う間に悪化し、多くの方を次々と看取ることに…。短期間に何人もの患者さんが重篤化する異常な状況への精神的負担は大きく、防護服は容赦なく体力を奪っていきました。
過酷な毎日のなか、呼吸器内科の先生は積極的に私たちに声を掛けていただき、精神科リエゾンチームの看護師さんは心のケアをしてくださいました。同じ病棟内では師長さんをはじめ看護師同士、互いの体調や精神面を気遣って声を掛け合いました。また母が目に涙を溜めて「頑張って」と応援してくれたときは、本当に心強かったです。自分は周囲の皆さんに支えられて看護師を続けられているんだと感じました。
現在でも感染者はなかなか減りません。ワクチン接種が進み、日常生活が早く戻って来ることを、心から願っています。
(取材:2021年8月30日)