赤い屋根瓦

院内散歩: 赤い屋根瓦

倉敷は江戸時代、幕府直轄の天領として栄え、倉敷川の両側には白壁に黒い瓦の蔵が立ち並び、活気を呈していました。当院の設計者は、黒い瓦の落ち着いた雰囲気とは逆に、赤い瓦の病院を造ろうと考え、その提案に、創設者の大原孫三郎はすぐに賛成したと言われています。
病に悩む患者さんの心を少しでも明るくしたいと考えた大原の気持ちに、田園の中の赤い屋根はぴったりだったのではないでしょうか。赤とはいっても朱の入った落ち着いた赤みの素焼きの瓦は、大阪府の南部で作製されたものです。
増改築が進み近代的な建物になっても、赤い瓦はアクセントとして残され、温室と共に倉敷中央病院のシンボルとして皆さまに親しまれています。