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歯科のご紹介

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01概要


主任部長   窪田   稔

近年、超高齢社会を迎え加齢による口腔内変化、全身疾患(合併症・副作用を含む)の増加、自立度の低下などに伴い歯科治療の難度やリスクも高くなってきています。また、がん治療をはじめとする多くの疾患に対する手術や入院治療の際の口腔管理あるいは口腔ケアが、合併症予防や入院期間の短縮に有効であるとの知見が集積され、医科からの依頼も増加しております。このような状況下、当科では院内診療科や院外医療機関と連携し、有病者(全身疾患を有する患者さん)や高齢者の治療を安全に行うことに努めています。また、歯科口腔外科・口腔内科治療(抜歯、外傷処置、嚢胞・良性腫瘍の外科処置、顎関節疾患・口腔粘膜疾患などの治療)、インプラント治療、矯正治療(口唇・口蓋裂等の先天性疾患、顎変形症)、有病児の齲蝕予防にも対応しています。

診療圏:岡山県西部を中心として県北、広島県東部、四国にまで及んでいます。

スタッフ:常勤歯科医師5名が各々専門分野を持っており、歯科衛生士12名、歯科技工士4名とともにチーム医療を推進しています。

患者数:総数27,691名、初診患者4,177名(2015年)



02診療内容

がんや血液疾患・心臓疾患の治療に伴う口腔管理や入院患者さんの口腔ケアに注力しており、対象症例の拡充と効率的な処置を目的として、2016年6月より周術期口腔ケア外来の運用を開始いたしました。口腔外科あるいは口腔内科的領域としては、埋伏歯・外傷・口腔領域感染症・薬剤剤関連顎骨壊死(MRONJ)・嚢胞・良性腫瘍・口腔粘膜疾患・顎関節症等に対する治療、頭頸部癌術後の顎補綴を行っています。さらに、先天性疾患・顎変形症に対する矯正治療、インプラント治療、睡眠時無呼吸症候群に対する歯科的対応といった専門外来も設けています。以下に、当科で実施している治療についてご紹介いたします。

有病者の治療

全身疾患を有する患者さんに対して抜歯などの観血的処置を行う場合、できるだけ安全に処置が行えるよう当院各科との連携により対応しています。

対象:虚血性心疾患や脳卒中(脳梗塞)により抗血栓療法(ワーファリン、パナルジン、バイアスピリン服用)を受けている、先天性心疾患・心臓弁膜症のため感染性心内膜炎の予防が必要、腎不全により透析治療を受けている、ステロイド剤・免疫抑制剤・骨吸収抑制剤(ビスフォスフォネート製剤、デノスマブ)等による治療を受けている、白血病・多発性骨髄腫・再生不良性貧血などの血液疾患、糖尿病などです。特に抗血栓療法については、中断することによる血栓・塞栓症イベント合併のリスクがあるため、当科では2010年より原則的に薬剤は継続したまま抜歯処置を行っています。これまで、止血困難な後出血の症例は経験していません。

全身疾患やその治療に関連して発生する口腔症状の診断や歯科的対応も行っています。例えば、骨吸収抑制剤は骨粗鬆症、固形癌の骨転移や多発性骨髄腫に対して有用性が高く投与患者は多いのですが、難治性の顎骨壊死(MRONJ)発症が問題となっています。当科では2007年-2015年の間に同薬剤投与に関連して2,300名近くの患者さんが受診され、その中で48例のMRONJ発症があり治療を行っています。

その他、糖尿病教室、口唇・口蓋裂等の先天性疾患、顎変形症、顎骨骨折など、病院内におけるチーム医療に積極的に参加しています。

骨吸収抑制剤関連受診・顎骨壊死

周術期口腔管理

対象:全身麻酔下での悪性腫瘍の手術、心臓血管外科手術、臓器移植手術(骨髄移植)、整形外科手術、悪性腫瘍に対する化学療法・頭頸部放射線治療を受けられる患者さんです。

目的:1)術後誤嚥性肺炎、人工呼吸器関連肺炎(VAP)、口腔・咽頭・食道手術における術後合併症(呼吸器合併症、SSI)、心臓血管外科手術における感染性心内膜炎等のリスク軽減、2)気管内挿管時における口腔損傷(歯牙破折・脱落)の防止、3)がん治療に伴う副作用の軽減・易感染状態による合併症の予防が主なものです。

内容:当院の周術期管理チーム(PMT)外来や関係診療科と密接な連携を図りながら、手術前あるいは化学療法・頭頸部放射線治療前から口腔内評価、口腔衛生指導、歯科衛生士による専門的口腔ケア、動揺歯への対応(プロテクター作製・抜歯)、歯科的応急処置等を行ないます。手術後も早期から口腔ケアを再開して積極的に合併症のリスク軽減に努めています。また、化学療法や幹細胞移植、頭頸部放射線治療においては、口腔感染源のスクリーニングとともに感染源除去のための治療介入も行っています。

がん患者の歯科受診・周術期口腔管理実施件数

静脈内鎮静法

点滴により少量の静脈麻酔薬を投与することで、歯科治療に伴う精神的緊張を和らげ、安全性と快適性を向上させる方法です。比較的侵襲の強い外科処置の場合や歯科恐怖症の患者さん、配慮すべき全身疾患(心疾患、脳血管障害)を有する患者さんを対象としています。

口腔ケア

急性期病院においてはICU、EICU、NCUをはじめとする重症の入院患者さんや周術期の患者さんの全身管理、早期回復がとても重要になってきます。一方、1990年代に国内で誤嚥性肺炎の予防に関する口腔ケアの効果が実証され、2000年代前半からは感染対策の一つとして位置づけられています。そこで当科でも、自力でのブラッシングが困難な重症入院患者さんに対して、誤嚥性肺炎の発症予防のため専属の歯科衛生士が口腔ケアを行い急性期のチーム医療に参加しています。また、口腔疾患の予防やQOL向上の目的で、外来通院が可能な障害者の方にも定期的にケアを実施しています。

歯科インプラント

現在ブローネマルクシステムおよびリプレイスセレクトを用いており、過去22年間(1993年〜2015年)のインプラント埋入患者さんは延べ142名、埋入本数は416本に達しています。治療に際しては術前診断が重要であり、2005年10月より顎骨のCT画像をコンピューター上で分析して骨質や骨量の評価、埋入手術のシミュレーションを行うSimplantシステムを導入しています※。これにより、適切な適応症の選択が可能となっただけでなく、インプラント治療の安全性や確実性が飛躍的に高まりました。また、今後は新しいインプラントシステムの導入も予定しており、システムの種類が増えることで個々の症例により適したシステムの選択が可能となります。

最近は、国内でインプラント治療に伴う偶発症や事故などのトラブルが多く発生し問題となっています。当科では、治療内容・方法だけでなく、治療の難易度・治療に伴うリスク・長期的な予後についても説明を十分行い、希望があればセカンド・オピニオンにも対応しています。

※地域医療機関からのCT撮影/画像分析のみの患者さん紹介にも対応しています。

スリープスプリント(sleep splint)

いびきや睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害の治療に用いられる口腔内装置で、下顎を前に引き出すことにより気道を確保することができます。この装置を装着して就寝することで、いびきや睡眠時無呼吸症候群の状態を改善することが可能となります。当科では数多くの(年間80件以上)スリープスプリントを製作しており高い評価を得ています。医科からの紹介があれば保険が適用されます。

矯正歯科

主に口唇・口蓋列を始めとする先天性疾患が原因と考えられる不正咬合や顎の大きさ・位置の異常によって不正咬合が生じる顎変形症に対し、小児科や形成外科と連携をとりながら診療を行い、咀嚼、嚥下、発音などの口腔機能の改善を図ります。これらの疾患に対する歯科矯正治療は保険診療が適用されます。また、小児から成人まで一般の矯正治療も行っています。詳しくは矯正歯科のHPをご覧ください。

※地域医療機関からの矯正用アンカースクリュー植立やSuper Mini Anchor Plateの埋入のみの紹介にも対応しています。
link矯正歯科のご紹介

子供の歯を守る会

急性期病院の歯科として、重い疾患を持った小児を対象とした歯科予防活動を行っており、会員数は約950名となっています。口腔ケアはもちろんのこと、矯正歯科医による口腔内診査を行っていますので、咬み合わせや歯並びの異常に対し、最適な時期に矯正治療が可能となります。

マウスガード(マウスピース、マウスプロテクター)

スポーツを行う際の歯や顎、口の周囲の怪我を予防するための口腔内装置です。動きの早いスポーツや接触の多いスポーツでは、顔面領域に怪我をすることがあります。マウスガードの装着によって歯や顎の怪我が防止できるだけでなく、スポーツ能力が向上する場合もあります。


03その他

施設認定

  • 日本有病者歯科医療学会認定研修歯科診療施設
  • 歯科医師卒後臨床研修施設(協力型)
  • 外国歯科医師臨床修練指定病院

お問い合せは、学術委員会勉強会担当者までお願いいたします。


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