83歳女性で1秒量1Lと呼吸機能が非常に悪い女性です。術前の活動性は低く、押し車でかろうじて歩ける程度でした。
弓部の嚢状瘤であり、矢印で囲まれた部分の中心に娘病変があり、破裂の危険が高いと判断されました。
嚢状瘤は第一枝にも近かったため、あらかじめ左頚動脈と左鎖骨下動脈にバイパスを行い、「チムニーテクニック」と呼ばれる方法(腕頭動脈と大動脈に平行に2本の大小ステントグラフトを挿入する)で治療しました。
術中造影です。腕頭動脈は良好に造影され、大動脈瘤内に造影剤のもれを認めません。
術後CTでも瘤の縮小を認めます。
81歳女性の患者さんでした。径60mmの胸部大動脈瘤を認めました。高齢・乳癌術後で活動性が低く、本人の強い希望でステントグラフト治療となりました。
開窓型ステントグラフトを留置し、左鎖骨下動脈をコイル塞栓しました。造影剤の漏れも認めませんでした。手術時間3時間5分。造影剤使用量100ccでした。
術後良好な瘤の隔絶と腕頭動脈の開存をみとめます。