低侵襲カテーテル治療センター
臨床検査技師・臨床工学技士チーム
臨床検査技師と臨床工学技士が、それぞれの専門知識を活かしながら一つのチームとして業務にあたっています。
低侵襲カテーテル治療センターでは、年間5,000例以上の検査・治療を行っています。職種の枠を超えて、臨床検査技師、臨床工学技士、医師や他職種と共にカーディオバスキュラーチームとして医療の最前線を実践しています。また、センター内には心血管検査室を併設しリアルタイムに情報を提供できる現場となっています。
臨床検査技師は生理検査室、臨床工学技士は体外循環技術室を兼務し幅広い知識のもと専門性の高い技術を共有し業務に活かしています。
スタッフ紹介
全員がスペシャリスト
低侵襲カテーテル治療センターは、多くの職種がチーム医療を実践し患者さんに安全で安心できる治療を実践している現場です。我々は、コメディカルの立場で常に医師や他職種とディスカッションを行い最善の医療を目指しています。非常に責任のある職場ですがスタッフ全員がスペシャリストとしての意識をもち業務にあたっています。
心血管カテーテル室 室長 福島 基弘
幅広い知識を習得
カテーテル室では多くの臨床検査技師が治療の最前線に携わっています。生理検査業務で培った知識を生かし心電図、心血管エコーはもとより血管内超音波、光干渉断層装置など画像診断、周辺機器操作、補助循環機器準備を行っています。 患者本位の医療を実現するために幅広い知識を習得し、安心で安全な治療を提供しています。
心血管カテーテル室 副室長 白﨑 頌人
幅広い検査依頼への対応
Cardio-Vascular Labは、2010年にカテーテル室内にできました。カテーテル室内で臨床に密着して検査し、情報をすぐに供給できるようになっています。心臓生理検査室より数名の臨床検査技師が交替で常駐し、心臓だけでなく全身の血管の検査を実施しています。循環器内科・心臓血管外科の検査に限らず、形成外科外来への下肢静脈瘤エコー検査の出向や、腎臓内科からのシャント術前術後の血管検査なども行い、幅広い臨床サイドの依頼に応じられるよう日々研鑽しています。
心臓生理検査室 室長 神崎 美佐
専門性と多様性を兼ね合わせて
循環器領域以外の超音波の業務をしながらカテーテル室を兼務しています。急性期の最前線であるカテーテル室では心臓や血管に没頭し、血行動態を予測し読み取りそれを肌で感じ、時には医師と討論して学んできました。その知識は他の領域にも生かすことができ、今では救急医療において循環器のみならず消化器領域などもエコーを用いて活躍できるようになっています。 そしてこれからも専門性と多様性を兼ね合わせたステータスを維持できる人材を育成していきます。
超音波生理検査室 室長 山内 陽平
活躍の場を広げて
虚血・SHD(心構造疾患)治療と脳神経・術中モニタリングの複数の部署に携わっています。 曜日ごとに担当を分けていますが必要とされるところに臨機応変に対応できるようにしています。いろいろな部署で勤務することで多くの方とコミュニケーションをとることで検査の情報を得ることができ助かっています。 今後、臨床検査技師がカテーテル治療センター、手術センターで活躍できる場を増やしていきたいと思います。
脳神経生理検査室 室長 高井 隆吉
医療機器の専門職
私たち臨床工学技士は医療機器の専門職です。 カテーテル室では、臨床検査技師と共に、CAGやPCIなどの虚血関連業務や、アブレーションや心臓植え込みデバイスの不整脈関連業務を行っています。補助循環の管理や人工呼吸療法のスキルを活かして、患者さんへ貢献できるようチーム医療の一端を支えています。
体外循環技術室 岡田 和宜
部門紹介
虚血部門
1.冠動脈造影検査(CAG)
心電図と心腔内圧の記録・監視を行います。心電図変化や心腔内圧の変化をモニタリングすることによって合併症を予防し、安心安全な検査を提供しています。
2.経皮的冠動脈形成術(PCI)
冠動脈治療時には、心電図と心腔内圧のモニタリングだけではなく、周辺機器操作のすべてを行っています。中でも、血管内超音波(IVUS)や光干渉断層法(OCT・OFDI)などの画像診断では、狭窄部の動脈硬化の性状や病変の長さを計測し、使用するバルーンやステントの決定に関与しています。治療終了前には画像を注意深く観察し、再狭窄率の低減に努めています。
また、治療デバイスであるロータブレータやレーザーの機器操作も行っています。急変時には、IABP(大動脈バルーンパンピング)、PCPS(経皮的心肺補助)、インペラなどの補助循環装置の準備操作を行い、救命治療に尽力します。
3.末梢血管治療(EVT)
近年、下肢動脈をはじめ、シャントや腎動脈などのEVTが増加しています。我々は、術前のエコー検査や術中のエコーガイドを行い医師に患者さんの血管の情報を提供するとともに直接、治療に関わっています。術中は血管内超音波(IVUS)やクロッサーなどの周辺機器操作も行います。治療後には、エコーにて治療部位の評価を行います。
心血管カテーテル室 大下 嘉文
不整脈部門~カテーテルの電気屋さん~
『アブレーション治療』では、心臓内に配置された電極から収集した電位をラボ(解析機)を用いて解析し読み解きながら、医師と不整脈の診断や治療を行っています。
『デバイス業務』では、患者さんにとってより良い設定は何かを大事にしながら、プログラマーを用いてペースメーカーなどのデバイス植込みに携わっています。
また、カテーテル室以外でも外来診療に来られた患者さんのデバイス点検や患者さんがご家庭にいながら病院に日々のデバイスデータを送ることができる『遠隔モニタリング』の確認、医師への報告を行っています。
不整脈は心臓の電気の流れの病気であることから、不整脈部門は『電気屋さん』と呼ばれることがあります。業務は多岐にわたり、不整脈分野の発展も凄まじく精進する毎日ですが、とてもやり甲斐を感じています。そして、患者さんに頼られる『電気屋さん』を目指し今日も解析機と向き合います。
心血管カテーテル室 田中 翔平
SHD部門
当院ではTAVI、mitra clip、ASD occuluder、WATCHMAN、PTSMAなど様々な手技が行われております。臨床検査技師はそれぞれの治療において経胸壁エコーの施行、経食道エコー・心腔内エコーの補助、心電図・血圧等のモニタリングを行っています。TAVIでは清潔業務を行っており、弁のクリンピング/ローディングを行っています。
カテーテル室のみならずハートチームの一員として、手術室でも活躍しています。
心血管カテーテル室 副室長 白﨑頌人
小児循環器部門
小児のカテーテル検査および治療前には、医師より血行動態の説明を受け、検査・治療の目的などをチームで共有して開始します。患者さんの入室時には、アンパンマンなどのビデオを大画面で映して、子供の患者さんが落ち着く雰囲気作りをしています。先天性心疾患の心内圧測定検査では、正確さが求められます。また細い血管を広げたり(PTA、PTPV)、ステントやコイルの留置、動脈管開存症や心房中隔欠損症のデバイスによる閉鎖などの治療時にも、臨床検査技師は心電図や心内圧波形の記録を行うとともに、プレッシャーワイヤー、IVUS、心腔内超音波の操作などを行います。
心臓生理検査室 室長 神崎 美佐
心血管検査室
より安全で安心してカテーテル検査及び治療を受けていただくために、心臓のみならず血管はすべて一つの臓器と考え、臨床に一番近い検査室としての業務に取り組んでいます。
心血管検査室では下肢や上肢など全身の血管エコーでのスクリーニング検査、治療後のフォローアップ検査を中心に行っています。主な検査としては、下肢動脈、下肢静脈、透析のシャント血管、腎動脈、腹部大動脈瘤ステントグラフト内挿術(EVAR)後、術後の穿刺部の評価などの血管エコーがあります。
血管機能検査としてABI(足関節上腕血圧指数)、TBI(足趾上腕血圧比)、CAVI(心臓足首血管指数)で簡易的に血管の状態を、SPP(皮膚灌流圧)では、皮膚下1.5mm以内の微小血管の血流を測定し、創傷部の治りやすさを検査しています。
最近では、カテーテル検査前に穿刺可能な血管であるか判断するため、また穿刺予定部位が穿刺困難で違う部位に穿刺し直すことを防ぐために、穿刺部の血管エコーを行っています。これによって、より確実に穿刺部の決定ができるようになりました。
この他に、カテーテル室に来られた患者さんの術前術後の心電図・心エコー、EVT(血管内治療)術中のエコーガイドも行っています。
若手からのメッセージ
多種多様な症例に対応
私は主に虚血分野を担当しています。カテーテル業務に携わるようになって苦労したのは機器の操作や準備、多種多様な症例に対して、柔軟に対応することです。まだまだ勉強不足ですが、良い先輩方に恵まれ患者さんのためにアドバイスをiいただきながら良い治療に導くことができています。よりよい医療のために一つでも貢献出来るようこれからも頑張っていきます。
心血管カテーテル室 岸本 ひかる
学会・研究会参加発表
日本心血管インターベンション治療学会(CVIT)中国・四国地方会
2018年9月1日に岡山で開催された日本心血管インターベンション治療学会(CVIT)中国・四国地方会に参加し、「石灰化病変におけるLacrosse NSE ALPHとWolverine Coronary Cutting Balloonの有用性」という演題で発表しました。 使用したBalloonの違いによる石灰化に対する割面の数や治療後の最大血管内面積をIVUS(血管内超音波)を用いて解析、検討しました。計測や抄録の作成など、初めてのことばかりでたくさん悩みましたが、循環器内科の先生方や室長の清水さんをはじめ、多くの先輩方に助けていただき、最優秀演題をいただくことができました。 学会発表を通して、多くのことを学び、達成感を味わうことができました。この経験を生かし、これからも意欲的に学会発表に取り組みたいです。
心血管カテーテル室 佐藤 美保子
TCT -Transcatheter Cardiovascular Therapeutics Congress 2017
2017年10月にアメリカ・コロラド州で開催されたTCT -Transcatheter Cardiovascular Therapeutics Congress 2017に参加しました。今回私は「Calcification in Right Coronary Artery Ostial Lesions is Related to Restenosis After Second-generation Drug-eluting Stent Implantation 」という演題でポスター発表を行いました。アメリカの会場は国内の学会とは規模も雰囲気も違い、映画の世界にいるようでとても刺激的でした。先生たちと楽しく食事や観光をして忘れられない思い出となりました。
心血管カテーテル室 倉本 舞
ESC Congress 2016、EuroPCR2018
ESC Congress 2016、EuroPCR2018に参加しました。カテーテル治療で使用するIVUS(血管内超音波)の検討を循環器内科の先生に指導していただいている時に先生から海外発表を薦めていただいたことがきっかけで挑戦しました。抄録を登録するまでには、地道な血管計測と統計解析の繰り返しでした。業務後だけでなく休日も病院に来て作業することが多くなり諦めそうになることもありましたが、診療や治療の合間に熱心に指導してくださる先生の助けや上司や先輩の励ましもあって抄録が完成しました。抄録がacceptした時は努力が報われ、非常に嬉しかったことを今でも鮮明に覚えています。ESCが私にとって初めての海外でした。学会の合間に行ったサッカー観戦、ローマの街並み、美味しい食事…どれも楽しくて心に残っています。指導してくださった先生や快く学会に参加することを承諾してくださったスタッフの皆様に感謝しています。
超音波生理検査室 藤井 巳代子
APHRS 2019
私は、2019年10月にタイのバンコクで開催されたAPHRS 2019にて「Practical Use of Effective Left-ventricular Pacing Algorithm in Patients with Cardiac Resynchronization Therapy」の演題で、ホルター心電図を用いた心臓再同期療法(CRT)症例のぺーシング率に関する発表を行いました。夢であった海外発表に対して不安な気持ちでいっぱいでしたが、当検査室は循環器内科の先生方との距離が近いこともあり、研究内容に関しても何度も相談に乗っていただきました。また海外発表経験のある臨床検査技師の先輩方も多く、サポート体制は万全です。興味のある方はぜひ私たちの検査室をのぞいてみてください。絶対に後悔はさせません!!
心血管カテーテル室 田中 翔平
European Society of Cardiology(ESC) Congress2013
私はオランダで開催されたEuropean Society of Cardiology(ESC) Congress2013に参加いたしました。ESC congressは循環器分野で世界最大規模の学会で、会場の大きさ、雰囲気も日本の学会では経験できないものでした。私の発表は血管内超音波(IVUS)と光干渉断層法(OCT)を用いたもので、日頃行われる医師や臨床検査技師同士のディスカッションで培われた知識が解析する際に非常に役立ちました。海外学会発表で学んだことを後輩に伝え、様々な学会に発表・参加していただきたいです。私自身も上司・後輩と切磋琢磨し、臨床に携わっていきたいです。
心血管カテーテル室 副室長 白﨑頌人
対外活動
実績
【2019年】
- 日本心血管インターベンション治療学会学術集会
- 中国四国ライブin倉敷
- 日本冠疾患学会学術集会
- ARIA
- ストラクチャークラブジャパン
- CCT
- APHRS
- 日本心血管インターベンション治療学会 中国・四国地方会
- 西日本カテーテルコメディカルミーティング(WCCM)
- JTVT
- 豊橋ライブデモンストレーションコース
- ADATARAライブデモンストレーションコース
- 小倉ライブデモンストレーションコース
- 日本医学検査学会
- KCJL
- 瀬戸内脈管カンファレンス
- 日本心血管インターベンション治療学会 コメディカル部会長 清水 速人、幹事 山内 陽平
- 中国四国ライブin倉敷
コメディカル責任者 清水 速人、実行委員 山内 陽平、高井 隆吉、白﨑 頌人 - 第33回日本冠疾患学会学術集会 コメディカル実行委員 清水 速人、神崎 美佐
- 日本心血管インターベンション治療学会 中国・四国支部
コメディカル支部会長 清水 速人、コメディカル幹事・事務局 高井 隆吉 - 西日本カテーテルコメディカルミーティング(WCCM) 顧問 清水 速人、世話人 白﨑 頌人
- 瀬戸内脈管カンファレンス 世話人 清水 速人
- 第33回日本冠疾患学会学術集会 コメディカル実行委員 清水 速人、神崎 美佐
- CCT(Complex Cardiovascular Therapeutics)
コメディカルコースディレクター 清水 速人、ファカルティ 山内 陽平 - 第9回豊橋ライブデモンストレーションコース ファカルティ 清水 速人
- ADATARAライブデモンストレーションコース2019 ファカルティ 清水 速人
- 小倉ライブデモンストレーションコース2019 ファカルティ 福島 基弘
- KCJL2019 ファカルティ 清水 速人
- ARIA2019 ファカルティ 白﨑 頌人
CVIT2018
日本心血管インターベンション治療学会学術集会は、全国から6,000人を超える医師、看護師、臨床検査技師、臨床工学技士、診療放射線技師などのカテーテルに携わる医療スタッフが参加する学会です。当院は、2018年にコメディカル部門を主催しました。多数のコメディカルの方々に参加していただき、全国のコメディカルの中心として様々な企画を立案し会の運営をすることができました。 最新の知識や業務改善など他施設と共有し、今後のカテーテル分野の発展に協力できたと思います。
中国四国ライブin倉敷 コメディカルシンポジウム
中国四国ライブin倉敷 コメディカルシンポジウムは、27年前、光藤和明先生のもと循環器に携わる他職種のコメディカルが職種を超え幅広く知識を習得し、患者本位のチーム医療の向上を目指すことを目的とし開催されました。光藤先生の遺志を受け継ぎ、倉敷から全国へ発信を目標に、コメディカルによるコメディカルのための会として企画し、毎年、中国四国にとどまらず全国より多数の方に参加していただいています。 活発なディスカッションを行い、コメディカルの地位向上に繋がる場となっています。