大動脈弁閉鎖不全症
大動脈弁形成術
大動脈弁閉鎖不全症は、大動脈弁が十分に閉じなくなり、血液が心臓へ逆流してしまう病気です。進行すると心臓に負担がかかり、息切れや倦怠感などの症状が現れます。
外科治療には、人工弁に取り替える「弁置換術」とご自身の弁を修復する「弁形成術」の2つがあります。多くの施設では弁置換術を基本治療とされていますが、当院では形成に適した形態の患者さんに対して、積極的に「大動脈弁形成術」に取り組んでいます。
弁形成術は人工弁置換術の後に必要となる抗凝固薬が不要となるため、特に若年者にとって大きな利点になります。
大動脈弁輪拡大症に対する自己弁温存基部置換術
大動脈弁閉鎖不全症では、弁が付着する大動脈基部が広がることで逆流が生じます。治療をしなければ拡大した大動脈基部が解離する危険があるため、大動脈基部を人工血管に交換する必要があります。交換する際に大動脈弁も人工弁に置き換える「ベントール手術」を行いますが、当院では適応があれば、ご自身の大動脈弁を残して基部を人工血管に置換する「自己弁温存基部置換術」を行っています。大動脈弁は基部の拡大によって多少のゆがみが生じているため、修復して正常な形に戻し、人工血管の内側へ縫い付けます。

大動脈弁逸脱による大動脈弁形成術
変性により弁の一部が伸びてしまい、弁逆流が生ずる「大動脈弁逸脱」では、伸びた弁を微調整して形を整えます。大動脈弁は高さが15~20㎜と治作、わずか1~2㎜の調整で逆流が再発するかどうかが決まるため、高い精度の手技が求められます。
また、大動脈基部が拡大していることもあり、その場合には人工血管に置き換えて弁が合わさりやすいように整えます。変性が高度な場合は、人工弁置換が適応になります。

先天性二尖弁に対する大動脈弁形成術
大動脈弁は通常3枚ですが、生まれつき2枚の「先天性二尖弁」の方もいます。特に弁の逆流が起こりやすいのは、「2枚が不完全に結合して1枚になり、見かけ上2枚になっているタイプ」です。手術では、不完全な形の2枚の弁を、本来あるべき完全な形の2枚の弁に整えます。この手術でも、大動脈基部を人工血管に置換することが多いです。








