集中治療科

診療内容

主任部長 福岡 敏雄

当院は2013年4月の救命救急センター開設と同時に救急ICUを設置し、救急科がその診療を担当してきました。集中治療科は2016年9月に救急科の中の集中治療を専門とする医師が中心となって発足し、以後、救急科と共に救急ICUでの診療を担当しています。2018年4月からは、麻酔科および心臓血管外科の集中治療室(G-ICU)の診療にも参加しています。それぞれの科と協力して当院の集中治療部門全体の質の向上を目指すとともに、救急ICUでは経験できない疾患の管理を通じて当科医師の診療能力の向上にも役立っています。

救急ICUは病床数10床で、循環器疾患や脳卒中など専門の集中治療部門がある疾患を除く重症患者を救急外来から受け入れています。2022年度の入室患者の入室理由は呼吸不全、代謝性疾患、消化器疾患といった内科系疾患が約半数、外科系緊急手術症例が約3割、外傷症例が2割となっています。

当院の救急ICUの特徴は、集中治療医が主体となって患者さんの診療を行っていることです(クローズドICUと呼ばれている体制です)。集中治療医が主体となることで、患者さんに提供する集中治療の質を担保しています。この体制を基盤に、病院の内外からさまざまな専門性を持った若手医師を受け入れてきました。2024年度に予定されている集中治療専門医のサブスぺシャルティプログラムにも対応を進めています。

一方、重症患者の診療は集中治療医だけでは成り立たず、さまざまな職種のスタッフがチームとして関わることが必要です。救急ICUでは、毎朝、集中治療医と主治医、看護師、薬剤師、臨床工学技士が集まり、患者さんの病状や診療方針について情報共有と検討を行っています。また感染症科の医師や理学療法士、栄養士、医療ソーシャルワーカーとも定期的に情報共有・意見交換を行い、それぞれの分野からの専門的なフィードバックを受けています。救急ICU・集中治療科発足の背景が示すように救急科医師との協力・連携は緊密であり、救急外来受診から救急ICUでの初期治療までの途切れのない診療も特徴のひとつです。