流産について
流産はご夫婦に大きな悲しみを起こします。
生殖医療(不妊治療)を受けて妊娠され流産に至ると、よく「天国から地獄へ」と形容されますが強い悲嘆を感じます。
流産後に、うつ状態(なにもする気がしない、ふさぎ込む)になる方もおられます。多くは時間とともに解消しますが、数か月かかる方もおられます。また「山あり谷あり」というか、良くなったり、落ち込んだり、と時期により変化することもあります。
女性が落ち込んでいるときに、ご家族(ご主人やご両親)に言って欲しくない言葉は「早く忘れろよ」です。これはかえって女性を苦しめることになります。どのような言葉をかけると良いかというのは難しいですが、流産を経験した女性は、子ども(胎児)や夫に対して「ごめんなさい」という負の気持ちになることが多いです。「君のせいじゃないよ」という言葉が良いのかもしれません。
流産はその妊娠週数によって原因がかなり異なります。簡単にまとめると、妊娠時期が早い場合、胎児側の先天異常が主な原因で、妊娠後期になるにつれて、母体側の異常の可能性が徐々に高くなります。例えば、妊娠初期の流産が3回あった方(当院での実際のケース)をご紹介しますと
| 1回目 | 妊娠7週で流産。この時は胎児(胎盤)の染色体検査は行わず (初回流産では染色体検査が保険適応ではありません)。 |
|---|---|
| 2回目 | 妊娠8週で流産。胎児(胎盤)の染色体検査は、3倍体(染色体が69本)。 |
| 3回目 | 妊娠9週で流産。胎児(胎盤)の染色体検査は、トリソミー(染色体が47本)。 |
特に治療方法はなく、4回目の妊娠は、無事に健康なお子さんを出産されました。
一方、妊娠10週以降に、それまで胎児発育が順調であったのに胎児死亡に至った場合には、母体側に胎盤血流が悪いなど、異常が認められるケースがあります。不育症検査(主に採血検査です)を提案しております。抗リン脂質抗体、プロテインS低下、プロテインC低下などが主に原因となっていることが多いです。胎盤の血流をよくするバイアスピリン(内服)、ヘパリン(注射)などが用いられ、順調に出産されることが多いです。






