腫瘍内科

当科の特色

腫瘍内科 仁科慎一主任部長

仁科 慎一 主任部長

2020年より新しく開設された診療科です。がん種をこえた診療、多診療科、多職種によるカンファレンスを行い治療のサポートを行います。診断および治療方針は多臓器にわたる診療科、放射線診断科と放射線治療科、病理診断科、遺伝診療部、薬剤師、看護師、MSWで検討されます。

診療内容

原発不明がんや重複がんに対する診療

原発巣がわからない原発不明がんはがん全体の約2%にみられるといわれます。原発不明ですので確立した治療法はなく、また、全身に転移しており予後はよくありません。しかし、原発不明がんの中には治療が有効で予後良好な症例も含まれており、診断、治療法の検討は慎重に行う必要があります。また、がんの治療の進歩により長期生存される方は増えており、治療中にふたつ目のがんを抱える患者は少なくありません。これらのがん診療にはがん種を超えた臓器横断的な知見が必要となります。

マイクロサテライト不安定性がんに対する免疫治療など臓器横断的治療

免疫チェックポイント阻害薬、がん遺伝子変異に対する分子標的治療などはいろいろながん種に行われており、今までの殺細胞薬といわれる抗がん剤とは全くちがった治療効果があります。それらの治療は臓器ごとではなく、臓器をこえて分子生物学的な分類で行われています。有望な治療法ではありますが、今までと全く異なる副作用があり、治療法の適応、毒性の対応に知識が必要です。またこの分野の進歩は目覚ましく、治療について日々アップデートしていかなければなりません。院内でカンファレンスを行い、知見を共有していきます。

がんゲノムパネル検査

希少がん、標準的な薬物治療終了後のがん患者には有望な治療法がありません。当院はがんゲノム医療連携病院に指定されており、それらの患者を対象として、がんゲノムパネル検査による網羅的がん遺伝子検査を行っています。がんゲノムパネル検査とは、がん組織よりDNAを抽出し、がんに関連する数100種類の遺伝子検査によってがんの特徴を調べる検査です。毎週、がんゲノム医療中核病院である岡山大学病院と個々の症例の遺伝子検査結果についてWebでカンファレンスを行い、有望な治療を探索するとともに臨床試験や治験への橋渡しを行っています。がんゲノムパネル検査で有望な臨床試験等が行われる可能性は約10%程度ではありますが、治療の希望につながります。また、がんのゲノム検査結果は厚生労働省が設置したがんゲノム情報管理センターに登録され、がん研究の促進につながります。今のところは院内症例のみがんゲノム検査を行っていますが、地域のがん患者にも検査を提供できる体制を早急に整えていきます。