血液内科

当科の特色

血液内科 上田恭典主任部長

上田 恭典 主任部長

血液は、生体の恒常性の維持、情報伝達、免疫環境の獲得に主要な役割を果たしており、最近では、諸臓器の再生にも深くかかわっているとされています。

倉敷中央病院血液内科においては、すべての造血異常や造血器腫瘍、止血系異常を対象とするとともに、血液を通じて疾患を把握することを念頭に、さまざまな疾患における血液学的異常や、血液を利用した疾患の治療、大量化学療法や造血細胞移植が有効とされる、一部の固形腫瘍の治療に対しても積極的にかかわってゆきたいと考えています。特に造血細胞移植は、当院の各科、各分野の総合力と優れた設備を利用できる領域として、重点的に発展させたいと考えています。

外来での化学療法は、60床の外来化学療法センターを利用して、当科主治医の指示のもとで行われます。 十分なインフォームドコンセントを得ながら、新規薬剤の治験や治療計画の臨床試験にも、積極的に取り組んでいます。

また血液治療センターにおいては、Hemapheresisをわが国の草分けの時代より行っており、遠心分離装置、膜分離器、吸着器等を組み合わせた独自のシステムの開発も行いながら、救急的疾患から、免疫疾患、消化器疾患、高脂血症にいたるさまざまな疾患のアフェレシス治療に取り組んでいます。また、これらの経験を造血細胞採取等にも生かして、安全な造血細胞移植が行えるよう努力するとともに、造血細胞の処理と保存を行っています。これらの経験と、JCIISOの認証をえた環境を生かして、近年わが国でも始まった、CAR-T細胞療法の認定施設に民間病院としてわが国で初めて認められています。

現在、シニアレジデント以上の17名のスタッフで診療にあたっており、入院患者数は常時70-90名程度で、42床の準無菌室と3床の無菌室を備え、年間同種造血幹細胞移植数は年間20-40例と、血液内科としては全国的にも有数の規模となっています。優れた設備、医療環境のもとで、国の内外をリードする血液内科を目標に、治験や臨床試験にも積極的に参加し、内外のさまざまな治療の動向を充分吟味しつつ、正攻法かつ最新の知見を取り入れた診療を行い、治療成績、治療内容の向上と、十分なインフォームドコンセントを得た上での、患者さん、ご家族の皆さんに満足していただける医療を目指して努力していきたいと考えています。