臨床検査技術部

ISO15189認定取得とその取り組み

臨床検査技術部 技師長 藤井 寛之
【公開日】2017.11.2

ポスター発表会場 門田循環器内科主任部長とともに

ISO15189の認定を取得(JCI認定施設としては3番目)

臨床検査技術部は2017年9月14日付で、日本で137番目(JCI認定施設としては3番目)のISO15189の認定を取得しました。2014年1月23日のキックオフから認定取得の準備を開始し、JCI認定取得のための一時中断期間を除くと約2年を要したことになります。ISO15189とは、臨床検査に特化した国際規格であり、臨床検査データの信頼性とそれを生み出す能力がある組織であるかどうかを第三者(認定機関)が評価し認定する制度です。認定取得はいわば、まる適マークと同じで、安心してその検査データが利用できます、と認められることであると言えます。キックオフ宣言後において最初に取り組んだことは、各部署がすでに作成して使用していた標準作業手順書(SOP)についてISO15189規格で要求されている20項目をどの程度満たしているか判断する作業でした。すべての要求事項を満たすためのSOP作成の大変さを改めて痛感し、「本当にISOをとるの?」との声もスタッフから聞こえました。ISO15189では、検査結果に影響を及ぼすあらゆるものを文書化し、記録をとり、保管管理することが要求されています。つまり、検査項目のSOPだけでなく、教育研修・力量評価、精度管理、使用している機器、試薬、消耗品、遠心機や顕微鏡の管理、ピペット検定・タイマー検定、室温・冷蔵庫・冷凍庫の温度管理、支援システムの管理などについても文書化し、実施している証拠として記録を残していなければなりません。

認定取得が意識向上、業務改善に効果もたらす

認定取得までの道のりは大変な労力と時間を要し夜遅くまで準備を進めたり休日を返上したりしたこともありました。認定取得に向けた各部署スタッフの努力は計り知れないものでありましたが、それ以上にスタッフの意識向上や業務改善に大きな効果をもたらしたことは確かです。検査部全員が共通した目標を持つことで、そのベクトルは大きな力となって束ねられ、組織運営における大きなエネルギーとなったと思っています。ISOの目的は認定取得そのものではなく、ISOのツールを用いていかに業務改善を進めていくかにあります。今まで以上に品質の維持・向上に努め、患者さんのためにより良い検査データを提供できる臨床検査室として、継続的に改善を進めていきたいと思います。