岡山県南西部にお住まいの皆様へ ~マムシに注意してください!~

田植えの時期を迎え、農作業中にマムシに噛まれて当院に搬送されるケースが起きています。

マムシは他の蛇と違い、マムシ毒があるので注意が必要です。
三角形の顔と銭形の模様が特徴です。

身近なヘビの見分け方は下記リンク先が参考になります
https://twitter.com/tukunosuke/status/892683812114636802/photo/1

マムシ

マムシ毒が引き起こす症状

神経障害 物が二重に見える
凝固障害 血がとまりにくくなる
組織障害 噛まれた部位から体幹にかけて手足が腫れあがります。加えて腎臓が障害され、症状が重い場合は透析が必要になったり、多臓器不全に至るケースもあります。

マムシに噛まれた患者さんの腕(中指を噛まれました)

日本では年間2,000~3,000人が噛まれて、そのうち約10人の方が多臓器不全で亡くなっています。
治療としては入院の上、重症度に応じてマムシ抗毒素血清の投与、輸液、痛みに対する鎮痛、(腎不全に至った場合は)透析を行います。
当院に入院された患者さんの中にも透析が必要になった方がおられます。

2015年から2022年の間に、106人のマムシ咬傷の患者さんが当院に入院されています。倉敷地区、真備地区、総社市にお住まいの方が多くを占めています。

地区別統計の詳細(2015年~2022年)
  2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 総計
倉敷市 10 4 6 8 5 11 12 4 60
 倉敷地区 2 2 2 3 3   6 1 19
 真備地区 3   2 3 1 6   1 16
 児島地区 4   1 1   4 3 1 14
 玉島地区 1 2         2   5
 水島地区     1   1   1 1 4
 船穂地区       1   1     2
総社市 4 2 4 5 4 3 3 4 29
浅口市     1 1 1 1 1   5
笠岡市   2 1   1   1   5
高梁市   1 1         2 4
岡山市南区           1     1
都窪郡早島町         1       1
岡山市北区         1       1
総計 14 9 13 14 13 16 17 10 106

 

地域の皆様にお願いしたいこと

まず噛まれないようにご注意ください。

マムシは攻撃性が少なく臆病な蛇といわれています。自ら襲いかからず、近づいてくるものに咬みつきます。
マムシ咬傷を予防するには、常に

「そこにはマムシがいるかもしれない!」

マムシ

を念頭に置き、草むらへ安易に手を入れたり、足を踏み込んだりせず、農機具や木の棒などで突いて、安全を確認することが必要です。
素手やサンダルで茂みに入るのは非常に危険です。

マムシに噛まれたら早期の治療が重要です。できるだけ早く医療機関を受診してください。

リーフレットもぜひ
ご活用ください。