小児科

循環器部門

NICUの充実で新生児・低出生体重児の心疾患も多く、その術前・術後管理や、新生児の肺動脈弁閉鎖(狭窄)に対するバルーン拡大術、動脈管や垂直静脈へのステント留置などのカテーテル治療も行っています。また重症例は心臓カテーテルなしで手術を行っています。手術は岡山大学心臓血管外科に依頼しており、毎週オンラインでカンファレンスに参加するなど緊密に連携、診断および術前管理し術直前に搬送、術後早期に当院に搬送し術後管理など治療に当たっています。最近は、胎児心エコーによる診断も積極的に行っています。
日本小児循環器学会小児循環器専門医修練施設、日本先天性心疾患インターベンション学会ASD閉鎖栓、PDA閉鎖栓実施施設、日本成人先天性心疾患学会成人先天性心疾患専門医連携修練施設、日本胎児心臓病学会認定胎児心エコー施設、に認定されています。

心臓カテーテル

心臓カテーテル検査の入院が年間107~188件。術前・術後、心不全、呼吸器感染などの合併症での入院も多いです。2024年1月からは新たに完成したハイブリッド手術室(biplane)で全症例実施しています。バルーンカテーテルによる血管拡張術・弁形成術やコイル塞栓術、最近はステント留置術、不整脈に対するカテーテル治療なども行っています。不整脈治療に必要な不整脈診断機(カルトシステム、EnSiteマッピングシステム)を導入しています。また、2012年より、心房中隔欠損と動脈管開存に対するカテーテル閉鎖術の施設認定を受け治療にあたっています。

新型コロナの影響で診断カテーテル件数は一時的にやや減少していますが、カテーテル治療件数は年間50症例前後となっています。

小児心臓カテーテル検査

【心臓カテーテル検査室への入室】
お母さんに抱かれたままカテーテル室に入室し、モニター画面に子ども向け動画を流すなど恐怖心の軽減に努めています。

【小児心臓カテーテル検査】
小児の心臓カテーテル検査。指導医の指導のもと小児科専攻医と初期研修医が一緒に実施している。


動脈管開存症に対するカテーテル閉鎖術

動脈管開存症に対するカテーテル閉鎖術

短絡量の多い動脈管開存症(PDA)に対して、PDA閉鎖栓(d)を用いてカテーテル閉鎖を施行
a. 治療前には動脈管を介して肺動脈が映っています。
b. 閉鎖栓(d)をPDAに留置し、離脱する前。 閉鎖栓(d)を離脱し、治療を終了。
c. 治療後、PDAは完全に閉鎖されており、肺動脈は映らなくなって治療完了です。
通常2泊3日の入院で行っています。治療は検査も含めて2時間程度で終了します。

心房中隔欠損に対するカテーテル閉鎖術

心房中隔欠損に対するカテーテル閉鎖術

心房中隔欠損に対する閉鎖栓(c)を用いたカテーテル閉鎖を治療
a. 風船(サイジングバルーン)を用いて欠損孔の大きさを測定。
b. 続いて閉鎖栓を心房中隔に挟み込むかたちで留置し閉鎖。デリバリーケーブルを切り離せば治療は終了です。
治療は検査も含めて1.5〜2時間程度。安静が保てる年齢であれば、心腔内エコーを使用することで局所麻酔下に行う場合もあります。入院期間は術前および術後の経過観察を含めて7日間です。

純型肺動脈閉鎖症に対する経皮的バルーン肺動脈弁形成術(新生児)

純型肺動脈閉鎖症に対する経皮的バルーン肺動脈弁形成術(新生児)

a. 肺動脈弁が先天的に閉鎖しているため、右心室造影で肺動脈が造影されていません。
b. 閉鎖している肺動脈弁をガイドワイヤーで穿通させた後にバルーンカテーテル(B)で拡大術を行います。児によっては外科手術が不要となります。

先天性肺動静脈瘻に対するカテーテル塞栓術

先天性肺動静脈瘻に対するカテーテル塞栓術

低酸素血症で発見された肺動静脈瘻
a. 左肺動脈を選択的に造影するとすぐに肺静脈(矢印)が造影されています。
b. バスキュラープラグと膨潤型コイルを用いて塞栓術を行い、肺動静脈瘻を完全に閉塞させることができています。直後から低酸素血症は改善しました。

左肺動脈狭窄に対するステント留置術

左肺動脈狭窄に対するステント留置術

a. 左肺動脈が矢印のところで狭くなっています(狭窄)。
b. カテーテルによりステント(筒状の管;矢頭)を留置して左肺動脈を拡大することで狭窄が解除されています。

小児心臓超音波検査

検査の多くは、子ども向け動画を使用するなどして母親に抱っこしてもらいながら鎮静薬を使用せず検査を行っています。

当院は胎児心エコー専門施設に登録され、胎児心エコー件数も増加しています。児およびご家族へ最善の医療を提供すべく、出生前から多職種によるカンファレンスを行っています。新規発症の川崎病(年間80名前後)では、病初期から心エコー検査で評価を行い、難治例に対しては血漿交換療法を施行するなど冠動脈病変発生の予防に努めています。

小児科心臓超音波検査

小児科の心臓超音波検査件数は、新型コロナ流行の影響で一時的にやや減少しましたが、年間およそ3100〜4100件程度(NICUを除く)。

胎児心エコー精査

胎児心エコー

【胎児心エコー検査】

日本胎児心臓病学会による胎児心エコー専門施設に登録され、胎児心エコー件数は増加しています。児およびご家族へ最善の医療を提供すべく、出生前から多職種によるカンファレンスを行っています。

心疾患における胎児診断

心臓MRI・心臓CT

128列CT(dual source)も随時行い、また心臓MRI検査も行っています。心疾患の外来患者は年間400名を超え、紹介率は40%を超えています。火曜日の午前・午後および水曜日、金曜日に専門医が外来を受け持っています。

心臓MRI

心臓MRIによる肺動脈弁逆流の定量評価

a.心臓MRIによる右室・左室の断面像。主肺動脈(赤線)での血流量測定を行っています。
b.心臓が一回動く間(一心周期)の主肺動脈の血流速度を表したグラフ。このグラフからどれくらいの血流を押し出しているか(1回拍出量)やどれくらい逆流しているか(逆流量・逆流率)を測定することができます。

心臓CT

心臓CTによる形態評価

a.下心臓型の総肺静脈還流異常症。4本の肺静脈は左房につながらず、合流し垂直静脈(矢印)を形成して門脈へと流入しています。
b.左肺動脈右肺動脈起始症。左肺動脈(※)は右肺動脈から起始し気管(水色)を取り巻くように後方を走行し左側へ向かっています。そのため気管の狭窄をきたしています。