小児科

腎臓部門

小児腎臓病全般の診療を行い、入院はネフローゼ症候群、急性ないし慢性腎炎、末期腎不全、膠原病などが主体です。1973年(昭和48年)1月に中四国地方では最も早く腎生検を導入し、2004年2月に600例となりました。現在は超音波ガイド下の腎生検を行っています。病理検査部門の充実のおかげで電顕を含めた検討が1週間で可能です。腎疾患の新患は年間200例程度で、約半数が周辺の医療機関からご紹介いただいており、その1割前後について入院検査・治療を行っています。IgA腎症のカクテル療法、自宅での腹膜透析療法にも積極的に取り組んでいます。学会・研究会での発表は年間5~10件を維持しています。腎臓内科の協力を得て、日本腎臓病学会の研修指定病院でもあります。月曜日の午後に専門外来を設けています。

血液浄化療法・アフェレシス部門

日本急性血液浄化学会・日本アフェレシス学会の認定施設であり、新生児から思春期までの小児に、幅広い疾患群の透析や血漿交換などのアフェレシス治療、細胞治療などを、小児科の各専門グループや成人科、血液治療センター・臨床工学部と協力して行っています。

1. 透析

透析は新生児期から管理しており、急性・慢性の透析管理に対応しています。

  • 血液透析 Hemodialysis(HD)
  • 持続的血液ろ過透析 Continuous Hemodiafiltration(CHDF)
  • 間欠的血液ろ過透析 Intermittent Hemodiafiltration (I-HDF)
  • 腹膜透析 Peritoneal Dialysis(PD)

ただし、腎移植は専門施設に紹介します。

2. 急性血液浄化療法・アフェレシス治療

新生児集中治療室(NICU)では、腹膜透析・血液透析やアフェレシス治療を行っています。
その他、重症敗血症に対する吸着療法や血漿交換療法、難治性川崎病に対する血漿交換療法、膠原病・免疫疾患に対する血漿吸着療法、炎症性腸炎(潰瘍性大腸炎やクローン病)に対する顆粒球除去療法などを行っています。

難治性川崎病に対する単純血漿交換療法

  • 単純血漿交換 Plasma Exchange(PE)
  • 活性炭吸着療法
  • 血漿吸着療法 Immunoadsorption Plasmapheresis(IAPP)
  • ビリルビン吸着療法
  • 血球成分除去療法 Cytapheresis
  • 顆粒球吸着療法 Granulocytapheresis(GCAP)

3. 細胞治療

  • 幹細胞療法
    新生児集中治療室(NICU)では、産婦人科・血液治療センターとともに虚血性低酸素性脳症(いわゆる重症新生児仮死)に対する臍帯血幹細胞治療の臨床研究に参加しており、院内出生かつ適応症例に細胞治療を行っています。
  • 末梢血幹細胞採取(ハーベスト)
    当科血液腫瘍グループとともに、血液治療センターにて、骨髄から末梢血に出て来た造血幹細胞(CD34陽性細胞)を、血液成分分離装置を用いて採取しています。

4. 外来(火曜日午前)

産婦人科、小児外科と連携して、胎児腎疾患に対する出生前説明、低体重の腎不全管理・相談、先天性腎尿路異常(CAKUT)の紹介を受け付けています。