臨床検査技術部

心血管カテーテル室

心血管カテーテル室では、年間4,000例以上の検査・治療が行われています。そのすべてに臨床検査技師が携わり他職種と共にカーディオバスキュラーチームとして医療の最前線を実践しています。
また、カテーテル室内には心血管検査室を併設しリアルタイムに情報を提供できる現場となっています。

低侵襲カテーテル治療センター

1. カテーテル室に携わる主な職種

医師、看護師、臨床検査技師、臨床工学技士、放射線技師、カテーテルアシスタント(CA)がカテーテル業務に関わっています。
その中で、16人の臨床検査技師が術前、術中、術後まで幅広く携わっています。業務時間外においても拘束体制で24時間対応しています。

2. 診断カテーテルの臨床検査技師業務

心電図・心腔内圧の記録および監視を行いカテーテル中の心電図変化や心腔内圧の変化を察知し患者さんに安全で安心できる検査を提供しています。

3. 冠動脈インターベンション(PCI)

冠動脈治療時には、心電図・心腔内圧の記録および監視はもとより周辺機器操作のすべてを行っています。
血管内超音波(IVUS)、光干渉断層法(OCT/OFDI)などの血管内の画像診断を行い狭窄部の動脈硬化の状態や狭窄の長さを計測しバルーンサイズの決定やステント留置に関与しています。また、治療デバイスである粥腫切除術のDCAやロータブレータ、レーザーの機器操作を行っています。
急変時には、IABP、PCPS、インペラなどの補助循環装置の準備操作を行い、救命治療を行います。

4. 末梢血管治療(EVT)

近年、EVTが増加してきています。我々は、術前の穿刺部エコーや術中のエコーガイドを行い医師に患者さんの血管の情報を提供するとともに直接、治療に関わっています。また、術中においては血管内超音波(IVUS)やクロッサーなどの周辺機器操作も行います。治療後には、治療評価のためエコーにて治療部位の確認を行います。

5. 心血管検査室

2010年1月よりカテーテル室に生理検査室を併設し、現在は3室となりCardio - Vascular lab(心血管検査室)としての役割を担っています。

  1. カテーテル室に来られた患者さんの術前術後の心電図および心エコーなどの生理機能検査。
  2. 血管のスクリーニング、末梢血管治療前後および治療中の血管エコー、治療後のフォローアップ検査

我々は、より安全で安心してカテーテル検査および治療を受けていただくために、心臓のみならず血管はすべて一つの臓器と考え、臨床に一番近い検査室としての業務に取り組んでいます。

当検査室の特徴

  • 心エコー、血管エコー、ABI (CAVI)、SPPなどの生理検査を検査室の移動することなくすべて同じ部屋で検査できます。
  • カテーテル室併設のため医師とリアルタイムに患者さんの情報が共有できます。
  • カテーテル室で行うことにより患者さんの病態がリアルタイムに把握され、より安全で効率の良い検査および治療が行えるようになります。

心エコー

心臓カテーテル検査、治療を受けられる患者さんに虚血を中心とした評価を行い、心臓の壁運動の状態や血行動態をみています。また救急対応も行い術中の緊急時にも対応し評価を行っています。

血管エコー

下肢動脈、腎動脈、腹部大動脈瘤ステント治療(EVAR)後、下肢深部静脈、下肢表在静脈、シャント、穿刺部、その他血管を中心に行っています。当院では遠位橈骨動脈アプローチのカテーテル治療・検査が増えてきており、穿刺部エコーが増えてきております。治療・検査前に血管径、性状、走行の評価を行い、穿刺部の決定の一端を担っています。また下肢動脈ではスクリーニングから術前、術中、術後の評価を行っています。全ての血管をエコーで見ることにより末梢血管疾患の早期発見に努めています。さらに治療中のエコーガイドにも携わっています。

ABI(CAVI:Cardio Ankle Vascular Index):血圧脈波検査

動脈硬化に有用な検査です。脈波の伝達時間、足首・上腕の血圧比を計測し、CAVI(Cardio Ankle Vascular Index)値,ABI(Ankle Brachial Pressure Index)値を求める検査で,動脈の硬さや詰まりを反映する指標とされています。動脈硬化の早期発見から治療の経過観察に役立ちます。

SPP (skin perfusion pressure):皮膚還流圧

測定部位にレーザーセンサをあててカフ圧を上げ皮膚還流を遮断し、次にカフ圧を下げ血流が再び還流し始めたときの圧を計測します。皮膚下1.5mm以内の微小血管の血流を測定しています。末梢の微小血管の評価に役立ちます。

6. 心構造疾患(SHD)治療

ハイブリッドOP室で行うSHD治療にも参加しています。近年注目されている経カテーテル大動脈弁植え込み術(TAVI)や経皮的心房中隔欠損閉鎖術、Mitra ClipなどのSHDの治療にはスペシャルなハートチームとして多くの職種が携わります。臨床検査技師は、そのすべての治療に重要な役割をはたしています。術中の経食道エコーや心腔内エコー、IVUSなどの画像診断をはじめ心電図・心腔内圧の記録および監視、ペーシング等を行っています。あわせて、TAVI時には、清潔野でクリンパーも行っています。

  • 経カテーテル的大動脈弁置換(植込み)術(TAVI)
  • 心房中隔欠損症閉鎖システムを用いた心房中隔欠損の閉鎖治療
  • 経皮的僧帽弁接合不全修復術(Mitra Clip)
  • WATCHMANデバイスを用いた左心耳閉鎖術

7. その他のSHD治療

その他のSHDは、カテーテル室内で行われます。心電図・心腔内圧の記録および監視をはじめすべての周辺機器操作を行っています。必要時には超音波診断装置を使用し治療に携わります。

  • PTMC(僧帽弁形成術)
  • PTAV(大動脈弁形成術)
  • PTSMA(経皮的中隔心筋焼灼術)
  • PTPA(経皮的肺動脈拡張術)
  • 経皮経静脈的肺動脈弁形成術(PTPV)

8. カテーテルアブレーション業務

心臓の不整脈発生部位をカテーテルで焼灼して、不整脈を根治するカテーテルアブレーション治療にも技師が携わっています。主な業務として心内心電図の記録と解析を行い、不整脈の診断・治療を医師、看護師とチームになって行っています。またペーシング刺激装置、通電装置、3次元解析装置などの操作も行い、診断や治療に積極的に関わっています。

9. デバイス関連業務(ペースメーカー植込みなど)

ペースメーカーなどの点検は専用のプログラマーを用いて、臨床検査技師と臨床工学技士が実施しています。ペースメーカー植込み時には、心電図や圧の記録とともに、ペースメーカーのプログラムを医師とともに設定しています。その後の経過観察でも病棟や外来にてペースメーカーの点検を実施し、必要があれば医師と相談して設定を変更したりします。

10. 小児カテ業務

先天性心疾患の血行動態を把握し心腔内圧の計測を行います。また、肺動脈拡張術や動脈管閉鎖術等の治療にも携わっています。ハイブリッドOP室で行う、経皮的心房中隔閉鎖術にもチームとして関わり心腔内エコーの操作を行っています。

カテーテル室で臨床検査技師は診断から治療まで重要な役割をはたしています。患者さんにとって最善の治療を導き出すことが我々、カテ室に携わる臨床検査技師の役割だと考えています。
当院のカーディオバスキュラーチームの一員として高い水準の医療を提供していきます。

心血管カテーテル室・心血管検査室 検査件数の年次別推移

※ 2014-2020年
心血管カテーテル室(心臓血管、不整脈含む)

項目名/年 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020
心臓・血管領域 4398 4159 4037 4075 4090 4074 3411
血管内超音波 760 664 743 839 741 782 663
不整脈領域 939 935 804 850 969 982 891

心血管検査室

項目名/年 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020
心電図 3045 2808 2631 2527 2570 2293 1867
心臓超音波 1240 1301 1466 1418 1801 1438 841
血管超音波 2177 2593 2730 3233 3598 3223 4355
その他(ABI、SPPなど) 1296 1602 1674 2051 2293 2138 1977