消化器内科の水野元夫副院長が「﨑田賞」を受賞

第105回日本消化器内視鏡学会総会での授賞式(日本消化器内視鏡学会提供)

当院消化器内科主任部長の水野元夫副院長が、日本消化器内視鏡学会の「﨑田賞」を受賞しました

水野副院長は岡山大学病院時代の1995年に、胃がんと胃潰瘍の原因であるピロリ菌の除菌治療を開始。2005年には除菌による胃がん予防の可能性を明らかにし、その後も20年以上におよぶ内視鏡フォローアップを続け、除菌後の再感染など重要な臨床課題について多くの研究成果を発表しました。広島市民病院在職中は多数の早期胃がんの内視鏡治療に携わり、当院着任後にはピロリ菌の感染状態を考慮した効率的な胃がん内視鏡検診体制を整えました。この取り組みは2017年から全国初の試みとして始まった倉敷市での対策型胃がん内視鏡検診につながっています。そのほか、大腸憩室出血の内視鏡止血術など多数の業績により、今回の受賞となりました。

表彰を受け、水野副院長は「消化器内視鏡医として非常に名誉ある賞で、大変光栄に思っています。長年にわたって続けてきたピロリ菌の除菌や内視鏡検診による胃がん撲滅に向けた取り組みなどが評価され大変嬉しく思っています。指導していただいた諸先輩方、一緒に仕事をしてきた同僚、後輩たち、またいつも支えてくれた家族にも感謝の念でいっぱいです。今回の受賞は私にとって大変励みとなり、少し元気がでました。この年になるまで内視鏡をしていると、肩や肘の痛みがつらい今日このごろですが、もう少し内視鏡診療を続けていこうかなと思っています」と述べました。

﨑田賞は、日本消化器内視鏡学会の発展を願って故 﨑田隆夫名誉理事長から寄附された原資を基に2007年に設けられました。消化器内視鏡医学の振興、普及または啓発のため顕著な業績を挙げ、発展に寄与した方へ授与されます。﨑田隆夫名誉理事長は胃カメラを世界で初めて実用化し、国内外への普及活動を行われ、胃カメラ研究会(後の日本消化器内視鏡学会)の創立と発展に尽力されました。2023年度の受賞者として水野副院長が選出され、5月25日に開かれた第105回日本消化器内視鏡学会総会で授与式が行われました。