手術センター

トピックス

多職種参加で手術センター防災訓練を実施

東日本大震災や自然災害の発生に伴い、手術センターにおける防災への取り組みも重要な課題となってきています。
これまで3年に一度の防災訓練を行っていましたが、スタッフ全員の防災意識を高め、マニュアル通りに行動が取れることを目標に、年に2回の訓練を行うことにしました。また、新たに、防災担当を担うチームを立ち上げました。活動内容は、避難訓練の準備、既存の手術センター防災マニュアルの改訂、防災に関する勉強会の実施などです。
手術センターは医師(麻酔科、外科系)、看護師、臨床工学技師、薬剤師、放射線技師、資材、クラーク、清掃スタッフなど多職種が協働する場です。実際に災害が起こった場合にも、全員が落ち着いて避難行動をとれるよう、アクションカードを職種別に作成し、これに基づいて7月に第1回目の避難訓練を実施しました。3棟手術エリアで火災が発生したことを想定し、より臨場感のある訓練になるよう、10診療科各々の手術中の状況を設定しました。医師、看護師、臨床工学技師、薬剤師、資材、クラーク、清掃スタッフの総勢約100名が参加をし、大規模な訓練となりました。

今回の訓練から見えた課題を元に、11月には1棟手術エリアでの訓練を計画中です。他職種が関わる手術センターで、患者さんの安全を守れるよう、防災意識を高めていきたいと思います。

手術室防災担当者

手術室防災担当者

火災発生、情報収集と各所指示

火災発生、情報収集と各所指示

各室から患者さんを搬送、集合

各室から患者さんを搬送、集合

ロボット支援 (da Vinci) 腹腔鏡下前立腺全摘除術を開始

今年4月に、当院でも導入となった手術支援ロボット「ダヴィンチ」。

ロボット支援により、安全かつ低侵襲に前立腺全摘手術を行います。
医師をはじめ、看護師、臨床工学技師、資材、中央滅菌室のスタッフとチームを組み、病院見学、オンサイトトレーニングやシミュレーションを重ね、5月に1症例目の手術を実施しました。

看護師としては、「深部褥創の防止」「コンパートメント症候群の発生防止」「体温保持」をポイントに取り組みました。ダヴィンチ手術では頭低位25度以上になるということで、褥創を作らないように、ズレを起さない体位固定の方法を考え、重点的にトレーニングを重ねました。皮膚排泄ケア認定看護師の指導の下、体位固定の実演をしたり、耐圧計を用いて圧がどの部位にかかっていくのかを実践し、除圧の方向性を見出したり、何度も体位固定の練習を重ねて1症例目を迎えました。コンパートメント症候群発生防止のために、対策について話し合いを重ね、術後の観察も徹底して行いました。また、体温管理も色々な意見を出し合い、低体温防止に努めていきました。

他職種の方々が関わっていく手術では、協力することの重要性や、コミュニケーションをしっかりととることで、円滑に安全な手術の提供ができるという事を改めて感じる事ができました。患者さんに低侵襲で安全安楽な手術が提供できるように、チームワーク良く関わっていきたいと思っています。

ダヴィンチ担当看護師

ダヴィンチ担当看護師

術前リハーサル

術前リハーサル

ダヴィンチ・チームとともに 新術式に挑戦

泌尿器科 主任部長 寺井 章人

2014年6月末までにロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術を5例実施しました。麻酔導入、体位固定、ロールイン・アウト等はダヴィンチ・チームのお陰で非常にスムースにできており、術者にとって余計なストレスなく手術に専念できることを感謝しています。さて、肝腎の手術操作に関しては、最初は術野の見え方(方向や遠近感)、ロボットアームの操作感や触覚がないこと、通常の開腹手術とやり方が違う(逆行性vs順行性)ことに多少の違和感がありましたが、不思議なもので直ぐに慣れました。開腹手術のように上半身を捻って術野を覗き込む必要がないので体は断然楽ですし、最初から最後まですべてモニター画面に見えていますので教育的にも有用であるのは間違いありません。今はまだだいぶ時間がかかっていますが、今後は手術時間を大幅に短縮できると確信しています。幸い患者さんの術後も合併症なく順調に経過しており、近いうちに術者は4名くらいまで増やしたいと思っています。

外来手術エリアがリニューアル、患者さんにとってよりよい手術環境に

7月1日、外来手術エリアが稼動しました。今回、3室の外来専用手術室と受付・説明室・更衣室が1か所に集約され、待合いも設けられました。今まで各科外来から手術出しを行っていましたが、直接、手術受付にお越し頂けるようになりました。これを機に手術の指示は外来手術クリニカルパスで標準化しました(外来看護が作成)。これにより医師の負担軽減、口頭指示による指示漏れを防ぐ効果が期待されます。
また、PMTナースが患者さんの術前外来を行う「PMT外来」が、従来の1-57相談室から、外来手術エリアに場所を移すことになりました。 待合いのディスプレイには手術に関するオリエンテーションDVDが流れます。手術室内や手術を受けるにあたっての注意点等を紹介しています。