患者さん向け広報誌「Kニュース」No.7

インタビュー

病院機能評価の認定を受けて

副院長 内田 璞

副院長 内田 璞

病院機能評価の認定を受けられたそうですが、これはどういうものですか。

内田 病院機能評価というのは、医療機関が質の高い医療サービスを提供するための支援を目的に、財団法人日本医療機能評価機構が行う第三者評価のことです。平成9年から実施され、現在、全国に約9200ある病院のうち、約1割が認定を受けています。

当院は初年度の平成9年に受審して認定されましたが、認定期間の5年が過ぎたので、2度目の受審をして合格しました。

この評価を受ける意義はどこにありますか

内田 当院では、患者本位の医療を実施するために、積極的にさまざまな取り組みをしています。機能評価では、それらを含め、病院運営全般について客観的な評価がなされるので、より一層、医療の質の向上や組織の活性化に役立ちます。

事実、審査は厳正に行われ、示唆に富んだ講評をいただきました。問題として指摘された点の多くは、当院でも改善が必要と感じていた項目でした。

実際には、どのような項目について審査されるのですか

内田  「① 病院組織の運営と地域における役割」「② 患者の権利と安全の確保」「③ 療養環境と患者サービス」「④ 診療の質の確保」「⑤看護の適切な提供」「⑥ 病院運営管理の合理性」という6つの領域にわたって、小項目では1,507項目について審査されます。

前回は主として設備・体制等の外枠に対する審査でしたが、今回は実質的な機能が審査され、ことに②と④の領域に重点が置かれていたように思います。1月末に3日間にわたって、7名の審査員によって厳しく審査が行われました。

倉敷中央病院は、どのような評価を受けたのですか

内田 体的に見ますと、1,507項目のうち1,334項目で「適切・積極的」という意味の「a」の評価が与えられ、③と⑤の領域では、特に高い評価を受けました。

③の療養環境については、創立以来の伝統である明るい病院らしくない病院に、現代的なセンスが加味されたことによるものだと思います。

⑤の看護の領域に関しては、充実した看護記録、積極的な事故防止への取り組み、行動制限の回避等とともに、目標管理・能力開発等の人事管理が評価されました。

その他の領域では、いかがでしたか

内田 「病院組織の運営と地域における役割」では、院是に基づいた基本理念・基本方針、地域医療連携等が高く評価されましたが、将来計画の策定に関しては、住民の皆さんや有識者のご意見を導入するようにとの指摘があり、今後、地域の皆さんとのコミュニケーションに力を入れたいと思います。

「患者の権利と安全の確保」では、『患者のみなさまの権利』宣言、情報入手や自己決定、プライバシーの確保が保障されている点、安全確保のための医療事故防止委員会の活動等が評価されました。患者さんと医療者のパートナーシップについては、個々の部署では対応が始まっていますが、病院全体の仕組み作りが必要とのことでした。

「診療の質の確保」では、カルテが一元管理され、詳細な検索や分析ができ、診療や研究に役立つ点が高く評価されました。医療の標準化と、入院患者さんに診療や検査過程をご理解いただくためのクリティカル・パスの作成・利用についても評価されました。

薬剤部門に関しては、服薬指導や病棟業務への積極的な関与を強く要望されました。現在、改善に取り組んでいます。

かなり具体的な項目について、審査されるのですね

内田 それだけ改善点が明確になります。前回も指摘項目については積極的に改善を行いましたが、今回も審査結果を指標として改革・改善を図り、地域の急性期中核病院として、世界水準の医療を提供していきたいと願っています。

トピックス

外来受診の流れが変わりました

倉敷中央病院では、8月4日よりコンピューター・システムの変更を行いました。これに伴い、外来受診の流れが変わりました。

再来の受付は、自動再来受付機で

これまでと大きく変わった点は、紹介状をお持ちの方、初めて当院を受診される方以外は、自動再来受付機で受付をしていただくようになったことです。この機械に診察券を通していただくことで、患者さんが病院に来られたことが確認できますので、必ず自動再来受付機をご利用ください。

また、この機械で受付をすると、検査、診療等の順序が印刷された「本日のご予定」が発行されますので、その予定表にそって受診していただくようになります。

新システム稼動の当初はご不便をおかけすることもあるかと思いますが、分からないことはフロアサービス係りをはじめ、職員に何でもお尋ねください。

外来受診の流れ 画像1

外来受診の流れ 画像2

ヘルシーリビング

お薬の正しい飲み方、使い方

薬剤部長 木邑 道夫

薬剤部長 木邑 道夫

皆さまが医師から処方された薬を使用して正しい効果を得るためには、指示されたとおり適切に使用しなければなりません。最近の薬は作用を発揮するメカニズム(作用機序)が明確で、効き目が強く現れる反面、正しく使用しないと期待した効力が得られないだけでなく、副作用を引き起こすことにもなります。

ここでは、いろいろな種類の薬の使用方法、服用方法、服用時間、また、使用するにあたって注意しておかなければならないこと、さらに薬と薬、食物と薬の相互作用についてご紹介します。

お薬の服用時間について

食直後服用とは、食事が終わってすぐに服用します。胃に障害を及ぼしやすい薬は、食物が胃の中にあるときに服用しますと、食物が胃の刺激を緩げます。

食前服用とは、食事の30分~1時間前に飲んでください。これらの中には食事の影響を受けやすい薬や、血糖を調節する薬、食事が進まないとき胃の運動を活発にして、食欲を促進する薬などがあります。

食後服用とは、食事が終わってから30分以内に飲む薬です。胃を刺激したり胃壁の粘膜を荒らすような薬は、胃の中に食物があるときに飲むと、そのような副作用を防ぐことができます。

食間服用とは、食事と次の食事の間に服用する薬で、実際には1回目の食事をした後、約2時間経った時に服用することになります。

頓服薬とは、症状を一時的に改善する薬であるため、症状が現れたら、必要に応じて指示されたとおり服用してください。痛み止め、下熱剤、咳き止めなどがあります。

いろいろな種類の剤型のお薬の使い方

錠剤、カプセル:かまずにコップ半分~1杯ぐらいの水または白湯で飲みましょう。お茶、お酒、ジュース、牛乳などと一緒に飲むと、その中に含まれているタンニン酸、アルコール、酸、カルシウムが薬の成分と結合したり、薬を分解することにより悪い影響がでることがあります。

点眼剤:上を向いて下まぶたを引き、まぶたにふれないように1~2滴落します。2種類以上使用するときは3分間位、間をおきましょう。

眼軟膏:下まぶたを開いて直接眼軟膏をしぼり出してつけ、まぶたを閉じて指で軽くマッサージします。20~30分程度「かすみ」が現れますので、自動車の運転など注意してください。

点耳液:耳を上に向けて、1回に4~5滴落します。薬が流れ出ないように30分ぐらい綿球を入れてもよろしい。

点鼻薬:鼻を清潔にした後、薬の容器を鼻にさし、1~2回噴霧します。

舌下錠:錠剤をかんだり飲み込んだりしないで、舌の下または歯と頬の間に挿入してください。

坐剤:先のとがった方から肛門に挿入し、奥まで入れて4~5秒押さえて、外に出ないようにしてください。

膣錠、膣坐剤:外陰部を清潔にした後、しゃがんで人差し指に薬をのせ奥まで挿入します。

お薬の保存の仕方について

薬には正しく保存(直射日光を避け、常温、常湿で保存)した場合に、薬の品質を保証する期間があります。薬の添付文書や包装箱、ラベルに使用期限が明記されていますので注意しましょう。

インスリン注射液などは凍結をさけ、15度C以下に保存してください。冷暗所保存の表示のある薬は光をさけ5度Cぐらいに保存してください。

お薬とお薬、または食物とお薬の相互作用について

薬を服用すると、体の中でどのような経路をたどって効果を発揮し、排泄されるのでしょうか。

先ほど述べましたように、薬にはいろいろな剤型があります。それぞれの剤型に応じて投与部位が異なりますが、皮膚に用いるもの以外に薬がその効力を発揮するためには、図1にありますように、まず消化管から吸収され、門脈、肝臓を経て、血液により全身へ移行しなければなりません。

血液中に移行した薬物はそのままか、あるいは肝臓、その他の臓器で代謝されて活性物質に変化します。それが薬として効力を現わすためには、標的器官に到達し、その部位で必要な有効血中濃度が一定の時間、維持される必要があります。その後、尿中あるいはそれ以前に糞中に排泄され、体内から消失することになります。

しかし、有効血中濃度以上の薬の血中での滞留は、効力の過剰発現や副作用の出現につながるため、避けなければなりません。また、この血中濃度が他の薬物と併用されますと、代謝に変化をきたし、代謝速度を高めたり低くしたりすることもあります。さらに、ある食物と一緒に薬を飲みますと、薬の吸収を早めたり遅らせたりすることにより、血中濃度に影響を与えることがあります。そのような相互作用の主なものについて表1と表2に示しました。

本院では、患者さんにお渡ししたお薬についての服用方法、使用方法など、特に注意を払う必要のあるものについては、お薬の説明(薬品情報箋)に記載して薬と一緒にお渡ししています。これらについてさらに詳しく知りたい場合は、外来の「お薬相談窓口」でお尋ねください。

お薬とお薬の相互作用 図

表1 お薬とお薬の相互作用

食物とお薬の相互作用 図

表2 食物とお薬の相互作用

QQ車 院内ニュース

QQ車は、皆さまに倉敷中央病院のできごとを運ぶ(お伝えする)コーナーです。

イギリスの大学から見学者が

イギリスの大学からの見学者 画像月23日、英国ウエールズ大学バンガー校看護学部の教員4名が、岡山県立大学看護学科の案内で来院されました。バンガー校は県立大との間で共同研究を計画しており、県立大看護学生の実習を受け入れている当院を見学されたものです。

入院生活も社会生活の延長と考え、癒しの空間を大切にしている当院の病室、セントラルパーラー、医療情報の庭などを案内しました。緑のあふれるセントラル庭園や温室では「英国の病院と雰囲気が似ている」、病院全体の感想としては「この病院の基本理念が伝わってくる」と語られました。

今年も踊りました、倉敷天領夏祭り

倉敷天領夏祭り 画像もう、倉敷の皆さまにはおなじみになりました緑の蔦と金の柱のシンボルマークを染め抜いた真っ白いはっぴ。今年も倉敷中央病院職員約130人が「倉敷天領夏祭り OH!代官ばやし踊りコンテスト」に参加しました。昨年、優勝したため今年の優勝はありませんでしたが、それに匹敵する評価をいただきました。応援してくださった皆さま、ありがとうございました。