平成22年度 第2回 医の倫理委員会 会議記録の概要

開催日時 平成22年6月16日(水) 17:00~18:55
開催場所 第3会議室
出席委員名 山形 専、山本 博、島村淳之輔、光藤和明、松下 睦、福岡敏雄、江尻美恵子、黒瀬正子、高栁和伸、富田秀男、森脇 正、安井昭夫
議事内容
【審議事項】
(1) StageⅢb大腸癌治癒切除例に対する術後補助化学療法としてのUFT/Leucovorin療法と TS-1/Oxaliplatin療法のランダム化比較第Ⅲ相試験
申請者: 外科 鶴田 淳
委託研究
実施計画書等に基づき、試験実施の妥当性について審議した。
審議結果: 承認
(2) 化学療法不応または再発の非小細胞肺癌に対する塩酸アムルビシン毎週投与法の第Ⅱ相試験
申請者: 呼吸器内科 岩破將博
医師主導型多施設研究
実施計画書等に基づき、試験実施の妥当性について審議した。
審議結果: 条件付き承認[説明文書の投与量の記載を実施計画書に従って修正すること]
(3) プラチナ既治療非小細胞肺癌に対するティーエスワンとドセタキセルのランダム化比較第Ⅲ相試験
申請者: 呼吸器内科 吉岡弘鎮
委託研究
実施計画書等に基づき、試験実施の妥当性について審議した。
審議結果: 承認
(4) 遺伝性非ポリポーシス性大腸がん(hereditary nonpolypotic colorectal cancer: HNPCC)の遺伝子診断
申請者: 遺伝診療部 二宮伸介
遺伝子検査
実施計画書等に基づき、疾患の確定診断を目的とした遺伝子検査実施の妥当性について審議した。
審議結果: 承認。 家族への心理的・社会的影響等も含め十分説明した上で、本人の同意を得ること。
(5) 先天性大脳白質形成不全症(Pelizaeus-Merzbacher病を含む)の遺伝子診断
申請者: 遺伝診療部 二宮伸介
遺伝子検査
実施計画書等に基づき、疾患の確定診断を目的とした遺伝子検査実施の妥当性について審議した。
承認結果: 承認。 家族への影響等十分説明した上で、代諾者(親)に同意を得ること。
(6) 大型の胃GISTに対する術前イマチニブ療法の日韓共同第Ⅱ相試験
申請者: 外科 鶴田 淳
医師主導型多施設研究
実施計画書等に基づき、試験実施の妥当性について審議した。
審議結果: 承認
【医の倫理委員会書面審査報告】
(1) 慢性完全閉塞に対する冠動脈インターベンションにおいて第一選択ガイドワイヤーを検討する多施設前向き無作為化試験
申請者: 循環器内科 光藤和明
実施計画書等に基づき、試験実施の妥当性について審査した。
審査結果: 承認(5/19)(光藤委員は採決に不参加)
【臨床研究審査委員会(3/30、4/13、4/27、5/11、5/25)審査報告】
(1) 承認相当:33件
  ①新規申請:17件
1) インドシアニングリーン(ICG)による網膜内境界膜染色の有効性について
申請者: 眼科 岡田守生
適応外使用
修正の上再提出→条件付き承認相当[説明文書の文言を一部修正すること](3/30)→承認相当(4/16)
2) Xience V 薬剤溶出ステント 使用成績調査 
申請者: 循環器内科 光藤和明
製造販売後調査
条件付き承認相当(1/5)→承認相当(5/18)(光藤委員は採決に不参加)
3) 緑内障ろ過手術や再発性の翼状片手術における、局所の瘢痕形成の抑制や翼状片組織の再増殖抑制のためのマイトマイシン注用 2mgの使用
申請者: 眼科 岡田守生
適応外使用
条件付き承認相当[説明文書の文言を一部修正すること](3/30)→承認相当(4/16)
4) ヒュミラ皮下注40mgシリンジ0.8mL(一般名:アダリムマブ)特定使用成績調査(全例調査)/尋常性乾癬・関節症性乾癬)
申請者: 皮膚科 大谷稔男
製造販売後調査(4/13)
5) ヒュミラ皮下注40mgシリンジ0.8mL(一般名:アダリムマブ)特定使用成績調査(全例調査)/尋常性乾癬・関節症性乾癬)
申請者: 内分泌代謝・リウマチ内科 中澤 隆
製造販売後調査(4/13)
6) サレドカプセル100(サリドマイド)特定使用成績調査(長期投与に関する調査)
申請者: 血液内科 上田恭典
製造販売後調査(4/13)(上田委員は採決に不参加)
7) AED導入後の小中学生の院外心原性心停止の実態と病因の解明
申請者: 小児科 新垣義夫
医師主導型多施設研究(4/13)
8) 成人期の川崎病既往者における冠イベントの実態と病態の解明
申請者: 小児科 脇 研自
医師主導型多施設研究
条件付き承認相当[調査対象期間を明確にすること](4/13)→承認相当(4/26)
9) 我が国におけるパリビズマブによる先天性心疾患児のRSV感染予防の実態調査
申請者: 小児科 脇 研自
医師主導型多施設研究(連結不可能匿名化された情報を扱う)(4/13)
10) アフィニトール錠 5mg 特定使用成績調査 
申請者: 泌尿器科 寺井章人
製造販売後調査(4/27)(寺井委員は採決に不参加)
11) 日本形成外科学会疾患登録システム
申請者: 形成外科 青木久尚
医師主導型多施設研究(4/27)
12) 未熟児くる病に対する中性リン酸ソーダ散の使用
申請者: 小児科 渡部晋一
未承認使用(特定薬として承認済み)(4/27)
13) 低リン血症に対する中性リン酸ソーダ散の使用
申請者: 小児科 渡部晋一
未承認使用(特定薬として承認済み)(4/27)
14) OptiVol alertの妥当性に関する多施設共同試験 
申請者: 循環器内科 藤井理樹
医師主導型多施設研究(4/27)(光藤委員は採決に不参加)
15) エンデバースプリントコロナリーステントシステムの使用成績調査
申請者: 循環器内科 細木信吾
製造販売後調査(4/27)(光藤委員は採決に不参加)
16) ゾシン静注用2.25、4.5使用成績調査
申請者: 泌尿器科 寺井章人
製造販売後調査(5/11)(寺井委員は採決に不参加)
17) 青少年の脳神経疾患の全国疫学調査
申請者: 小児科 藤原充弘
医師主導型多施設研究(ケース・オンリー、アンケートへの回答のみ)(5/25)
  ②変更申請:16件
1) 膵石に対するESWL治療
申請者: 消化器内科 山本 博
研究期間の変更(5/25)
2) 糖尿病予防の為の戦略研究課題3 (J-DolT3)
[2 型糖尿病患者を対象とした血管合併症抑制の為の強化療法と従来治療とのランダム化比較試験]
申請者: 糖尿病内科 高橋健二
医療記録閲覧に対する同意書追加(5/25)
3) EGFR 遺伝子の特定領域に遺伝子変異を有し、悪性胸水貯留を呈する進行肺非小細胞癌患者に対するゲフィチニブ単剤療法の第Ⅱ相試験
申請者: 呼吸器内科 吉岡弘鎮
研究期間の変更(5/25)(石田委員は採決に不参加)
4) ゲフィチニブ単剤療法を施行する肺非小細胞癌における治療前血性マーカーの治療効果予測因子として有用性について検討する前向きコホート研究
申請者: 呼吸器内科 吉岡弘鎮
研究期間の変更(5/25)(石田委員は採決に不参加)
5) 化学療法を施行する肺非小細胞癌における有害事象発現状況および有害事象発現の高危険度群を調査する前向きコホート研究
申請者: 呼吸器内科 吉岡弘鎮
研究期間の変更(5/25)(石田委員は採決に不参加)
6) 眼内新生血管、黄斑浮腫に対するベバシズマブ硝子体内投与の有効性についての研究
申請者: 眼科 岡田守生
研究期間の変更、経費の追加(5/11)
7) 同種造血幹細胞移植患者におけるItraconazoleの真菌感染症予防効果の検討
申請者: 血液内科 上田恭典
研究期間および研究担当医師の変更(4/27)(上田委員は採決に不参加)
8) 無酢酸透析液の臨床効果に関する研究
申請者: CE サービス室透析センターグループ 安藤 誠
研究期間の変更(5/25)(福島委員は採決に不参加)
9) 標準化された脳血流量および神経細胞密度測定に基づくバイパス手術の効果測定に関する多施設共同研究
申請者: 脳神経外科 定政信猛
研究期間の変更(5/25)
10) 難治性ネフローゼ症候群に対するミコフェノール酸モフェチル(MMF)の使用
申請者: 小児科 桑門克治
研究期間の変更(5/25)
11) 脳卒中患者における降圧剤の有用性の検討
申請者: 脳神経外科 吉田和道
研究期間および研究責任医師の変更(4/27)
12) 虚血性心疾患における心電図同期 SPECT(QGC)検査に関する国内臨床データベース作成のための調査研究-3 慢性腎疾患患者における心電図同期 SPECTの有用性検討のための調査研究
申請者: 循環器内科 山本浩之
研究期間の変更(4/27)(光藤委員は採決に不参加)
13) 既治療ⅢB/IV期非小細胞癌に対するエルロチニブ/ドセタキセル併用療法の第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験
申請者: 呼吸器内科 吉岡弘鎮
研究期間の変更、有害事象報告ガイドライン改訂に伴う変更(3/30)(石田委員は採決に不参加)
14) GIST症例におけるkit遺伝子Exon変異検索
申請者: 外科 鶴田 淳
研究期間の変更(5/11)
15) 透析液カリウム濃度調整による低カリウム血症の治療
申請者: 人工透析センター 安藤 誠
院内研究助成金額の変更(5/25)(福島委員は採決に不参加)
16) インドシアニングリーン(ICG)による水晶体前嚢染色の有効性について
申請者: 眼科 岡田 守生
研究期間の変更、経費の追加(5/11)
<審査結果: 33件すべて承認>
(2) 条件付き承認相当:0件
(3) 修正の上再提出:1件
  ①新規申請:1件
1) 2型糖尿病を合併した脂質異常症患者に対する積極的脂質低下療法の有用性の検討 -特にHDL-C の意義について
申請者: 糖尿病内科 松岡 孝
自主研究
修正の上再提出(3/16)→修正の上再提出[説明文書に安全性・保険適応上の問題・重大な副作用について記載すること](3/30)→その他[ヒアリングを行い、必要であれば研究計画書等を修正の上提出](4/27)
(4) 成果等報告
  ①成果報告:32件
  ②終了報告:10件
  ③実施状況報告:57件
【その他】
(1) プロトコールにIRB(倫理委)の承認を要することが明記されている研究の審査手順・承認書について
倫理的に大きな問題がない場合は、審査委で審議の上承認相当として倫理委に事後報告することで可とするが、特に多施設共同研究については、個々に倫理委が認めていることを示す承認書が必要。
(2) 倫理委の状況のホームページへの掲載について
「臨床研究に関する倫理指針(平成20年7月31日 全部改正)」にて公表することが求められている「委員会の手順書(倫理委規定、フローチャート)」「委員名簿」「会議記録の概要」を、ホームページに掲載することとする。
(3) 次回開催日について
次回開催予定日 平成22年8月18日(水) 17:00~